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『オブリビオン』がリマスターされたので、約18年ぶりに“たまねぎ”に会いに行ってみた。“熱狂的なファン”、ダル=マちゃん、マゾーガ卿、衛兵の「スタップ!」、全てが懐かしい……ただいま、シロディール!

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女鍛冶屋ロッサンもリマスターされ”元気”に

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(左側が旧版ロッサン。右側がリマスター版のロッサン。ごつい鎧を身に纏う)

別人……かな?いや、でも……ちゃんとロッサンって書いてるな……

彼女はシロディールの中央に位置する帝都の商業地区にてファイト武具店を経営する女鍛冶屋。彼女も、オブリ三大美女のひとりとして一部で語られている。鍛冶スキルの上級トレーナーとして活躍し、2階にはイヌも飼っている。

旧版では、過酷な世界で鍛冶屋を切り盛りする中で疲弊してしまったのか、くたびれた表情哀愁という言葉が似合う魅力が漂っていたロッサン。リマスター版では、快活な笑顔を見せてくれるドレッドヘアの女性として登場。自ら重鎧を身に纏い、宣伝する意気込みも見せている。

リマスター版タイバー・セプティム皇

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(左側が旧版のタイバー・セプティム皇。右側がリマスター版のタイバー・セプティム皇)

さて、『オブリビオン』と言えば彼。オープニングムービーでもプロローグを語り聞かせてくれる帝国の皇帝ことタイバー・セプティム様を外すことはできない。

旧版では貴族らしくパツパツに肥え太った皇帝であることが伺えましたが、リマスター版では苦労が皺に刻まれた老齢な魅力が光る紳士的なおじいちゃんに。

皇帝はプレイヤーが主人公を作成し終わったあとに牢獄へと訪れ、魔の手から逃れるため隠し通路から脱出する。

結果的に彼は暗殺され、メインクエストのキーアイテムである「王家のアミュレット」を主人公に託し、最後の後継者「マーティン」を探すよう依頼する。その後、シロディールを巻き込む壮大なメインクエストが始まる。

それにしても、この皇帝とはゲームを開始すると強制的に出会うことになるため、もう何度死亡シーンを見たことか……

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(左側が旧版のボーラス。右側がリマスター版のボーラス)

ついでに言うと、タイバー・セプティム皇のお付きである勇敢な近衛兵ボーラスもリマスター版で助演男優賞っぽさを発揮。新たにヒゲも携えて、主人公を信頼してくれる頼もしい男として姿を披露してくれました。よく見ると、兜のデザインも変更されている。

マーティン、“爆イケメン”になる

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(左側が旧版のマーティン。右側がリマスター版のマーティン)

どうしたマーティン

イケメンになりすぎじゃない?…というか、若くなってる。
一瞬、海外ドラマ版『オブリビオン』がはじまったかと思ったよ。

彼の名はマーティン・セプティム。さきほど紹介したタイバー・セプティムの最後の後継者としてメインクエストに深く関わる重要人物だ。メインクエストを進めると、大聖堂で司祭を務めているマーティンに出会える。

自身が皇帝の隠し子であることを知るマーティンは、困惑しながらもタムリエルを守るべく行動し始める。まさに王道ファンタジーの主人公的存在なのだが、意外にも人前に出るのが苦手で、どちらかというと豊富な知識を貸してくれるタイプ。

また、かつて禁術に手をだしていたこともあり、その過去を過ちとして後ろめたく思っているという“人間臭さ”を持つ人物と言える。

旧版では壮年の男性といった風貌だったが、リマスター版では少し若い姿に。さらに“主人公感”が増した。

ちなみに、マーティンの声優を務めているのは映画『ロード・オブ・ザ・リング』でボロミア(日本語音声:小山力也さん)や、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でエダード・スタークを演じたショーン・ビーン氏だ。宿命を背負う役が似合いすぎる。

ジョフリー、とても目が綺麗になる

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なんて綺麗な目をしているんだ……

彼の名はジョフリー。修道院で暮らす年老いた修道士として登場するが、その正体は日本刀のような刀剣「アカヴィリの剣」を手に戦う皇帝の親衛隊「ブレイズ」の騎士団長。主人公が王家のアミュレットを持ち込んできたことをきっかけに、その実力を発揮することになる。

『オブリビオン』のメインクエストでは、主人公の頼もしい協力者……かつ、思う存分こき使ってくる上司、もしくはジェダイ・マスター的な存在だ。

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(左側が旧版のジョフリー、右側がリマスター版のジョフリーです)

そんなジョフリーを旧版とリマスター版で比較してみる。
特徴的な“聖なるヘアスタイル”はそのままに、お鼻が少し小さくなり、眉毛の陰影がはっきりして人間っぽさが増している。

一番変わったのは、目の色だろうか。元はブラウンに近い色だったのが、爽やかなマリンブルー色に変更されている。ハイライトも入ってつぶらな瞳に。そ、そんな目で見つめないで……。

「ホラ吹きのムアイク」も元気

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(左側が旧版のムアイク。右側がリマスター版のムアイクです)

『The Elder Scrolls(エルダースクロール)』シリーズではおなじみのマスコット的存在であるムアイクくんも忘れてはならない。彼は非常に“足が速い”NPCで、見かけても走っている状態だとなかなか捕まえることが難しい。

シリーズ3作目の『Morrowind』をはじめ、さまざまなタイトルに同名のキャラが登場している。話しかけるとふしぎな台詞を残して去っていく人物で、彼の話す内容はベゼスダの手がけるタイトルの裏事情、いわゆるメタ表現が含まれていると言われている。

旧版では両目がしっかりと主人公をとらえていたが、リマスター版ではローブで隠れて威圧感がまろやかに。ちなみに、相変わらず足は速かったです。

“グラアシア”。ヒゲだらけに

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(左側が旧版のグラアシア。右側がリマスター版のグラアシアです)

次は、多くのユーザーにとってある意味、強く印象に残る奇怪なクエスト“妄執”に登場するキャラクター、「グラアシア(Glarthir)」だ。彼は、スキングラードのジュリアノス大聖堂付近に深夜23時頃に訪れると遭遇できる。

主人公に話しかけてくると、「調査してほしい者がいる」と依頼してくる。
「自分は何者かに狙われている」と信じ込んでいるグラアシア。いわゆる“陰謀論”を彷彿とさせるキャラクターだ。果たして、彼は本当に何者かに狙われているのか?答えはぜひその目で確かめてほしい。

そんな怪しさ満点のグラアシアだが、旧版とリマスター版でのビジュアル面には大きく変更点がある。まず、顎鬚が生えそろい怪しさが倍増した。また、リマスター版ではキャラクターの表情もリアルに変化するようになったので、笑顔まで怪しい感じに。

さて、ここまで紹介しましたが、シロディールにはほかにも豊かな表情を見せてくれるNPCがたくさんいます。

すさまじいスピードで馬に乗り駆ける新聞の配達員さん、カツアゲしてくる山賊、笑いながらも激励を飛ばしてくれる闘技場のオーウィン、牢獄でひねたことを言ってくるダークエルフ、グレイ・フォックスさんなど。数えきれないくらいに面白い人たちが息づいているので、ぜひ探訪してみてほしいです。


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筆者は中学生のころに『オブリビオン』にハマり、そこから“洋ゲー”というジャンルに強い興味を持ちました。何度もキャラを作って遊ぶうちにプレイ時間は数千時間を超えてしまい、パソコン版も購入しキーボードの“WASD”は完全に機能しなくなりました。

そこまでハマれた理由は、やはり本作に“選択の自由”があったからだと思います。

プレイヤーが操る主人公は英雄になることもできるけれど、あくまでメインクエストの主役は王家の血を引くマーティンのように思えるし。その立ち位置だからこそ、「あなたは何にでもなっていい」と言われているように感じられました。

そういう意味では、メインクエストで必然的に“ドラゴンボーン”となる続編『Skyrim(スカイリム)』より自由度の面で言えば高かったのではないか。そう思えたくらいです。

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燃え盛るリマスター版のオブリビオンゲート。まさに異次元への扉

そして、私は『オブリビオン』をプレイするのと同時にニコニコ動画にアップされているプレイ動画にもハマっていました。

とくに、2007年よりElCid氏がニコニコ動画にアップした「Oblivion プレイ動画 テクテク冒険記」は定期的に視聴。第1話だけでも現時点で“85万回再生”以上されており、未だに巡礼者が訪れる。私にとっても“ニコ動の故郷”的な存在です。

ほかにも、”リストラされてしまったおっさんがシロディールに降り立つ”という設定で『オブリビオン』を遊ぶ動画「【Oblivion】おっさんの大冒険」なども好んで観ていました。そこから「へいよーぐっつすっす」などの空耳ワードも生まれ、独自のミームとして浸透していったのを今でも覚えています。

ソロ専用のゲームでありながら多様な遊び方が見られるので、他人のプレイ映像を見てるだけでも楽しめてしまうんです。

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全ての冒険者は、ここからスタートする。

全てが美しく、面白い部分はそのままに現代に蘇った『オブリビオン』
下水道から抜け出した先は、また自由。あなたも、奇想天外な展開が待つシロディールを冒険してみませんか?

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ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。 Divinity: Original Sin 2の有志翻訳に参加。 ゴーストオブツシマの舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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