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『シヴィライゼーション: 時代と盟友』はPvP要素強めで「本気の戦争ごっこ」を手軽に楽しめる。遺産や技術ツリーなど「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」の世界観を継承しつつ、いい感じに簡略化されたモバイルMMOストラテジー

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他人の領土をバーベキューにして遊ぶのが大好きな皆さんごきげんよう。本日は新たなバーベキュー会場をご紹介に上がりました。

その名も『シヴィライゼーション: 時代と盟友』。「シヴィライゼーション」の名前を冠するモバイル向けの戦略シミュレーションゲームです。

本作は「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」シリーズの世界観を継承しつつ、モバイルシミュレーションゲーム内における一大ジャンルとなっている“MMOリアルタイムストラテジー対戦”をメイン要素に据えたタイトルだ。

多数のプレイヤーが入り混じり、それぞれの思惑で戦争・外交を進めていくこのジャンルのゲームの面白さは、対人ストラテジーであるがゆえの深い戦略性だ。

一方で「シヴィライゼーション」のタイトルを冠した本作の魅力は、シリーズが持っていた「文明をゼロから構築していく」という、人類の歴史を追体験しているかのような面白さが味わえることにもある。

本作ではそうした2種類のゲームを融合させ、「時代の変化」や「技術ツリー」「遺産」などシリーズの雰囲気を残しつつ、システムはMMOストラテジーに寄せて簡略化。早い話が、文明をまるごとロールプレイした「本気の戦争ごっこ」を手軽に楽しめるようになっているタイトルだ。

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「シヴィライゼーション」らしい、まったくのゼロから自身の文明を作り上げていく

コンソールでリリースされたシリーズタイトルに比べるとシステム面は軽量級ながら、その分PvP要素が重いためプレイヤー同士の関わりの中でゲーム展開はさまざまに変化。「シヴィライゼーション」の世界観やプレイヤーとの関係を通して、自分自身の手で歴史を作ってゆく感覚を味わえる。

またゲームは、UIからシステム効果音まで、コンソールのシリーズタイトルプレイしたことのある人なら「おっ」と思うポイントも多い。個人的にはタイトル画面でいきなり「Sogno di Volare」【※】が流れ出したことにはちょっと感激してしまいましたわね。親の顔より聞いた名曲ですので。

※「Sogno di Volare」
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』のメインテーマ。タイトル画面やオープニングなどで使われ、非常に評価が高い。「Baba Yetu」(『シドマイヤーズ シヴィライゼーション IV』)や「Live Gloriously」(『シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII』)などを手がけたクリストファー・ティン氏による作曲

なお本作のリリースは6月19日(木)。本稿は事前にご提供いただいた試遊環境にてプレイしているため、リリース後の本番環境とは異なる個所がある可能性もある点、ご了承いただきたい。

文/恵那
編集/柳本マリエ

※この記事は『シヴィライゼーション: 時代と盟友』の魅力をもっと知ってもらいたいテイクツー・インタラクティブ・ジャパン合同会社さんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


無数の勢力がひしめく大陸で、最強を目指して領土を拡大

「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」シリーズの魅力は、何と言ってもひとつの文明をいちから築いていけるという、自らの手で歴史を作り上げていく面白さにある。

太古の時代から近代まで、文明を少しずつ発展させながら時代をまたぎ、ロウソクの火のような小さな勢力を、巨大なかがり火にまで成長させていく(そして時に世界中を焼き尽くして遊んだりする)。

対人戦ストラテジーがメインとなった本作でも、そうした特徴は健在。

ゲームの目的はワールドマップ中央部に存在する巨大都市「バビロン」の制圧だ。ゲーム開始と同時にすべてのプレイヤーは大陸外周部の各地に配置され、棍棒をもった原始人たちを率いて、自身の勢力拡大のために奔走していくことになる。

バビロンは、プレイヤーたちが掘っ立て小屋のような住居で暮らしているゲーム開始時点で、すでに高層ビルが立ち並んでいるようなトンデモ超大国。対抗するには入念な地盤づくりが必要になるだろう。この時代錯誤感のあるバビロンは、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』をプレイしているとなんとなく既視感がある光景だ。

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プレイヤーはゲーム開始時に与えられた都市を拠点に勢力を拡大してゆく。産出力の高い土地を「占領」して自国領に組み込んだり、あるいは「改良」によって土地の算出を高めることで勢力全体の「生産力」や資源算出の量を高めていくのだ。

都市からあまり離れた場所のタイルは占領できないため、本作でも都市周囲の立地は重要そうだ。都市の場所は後から移転させることもできるので、タイルの出力や戦略上の用地を押さえる目的で都市を動かす判断も必要になってくるだろう。

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マップは複数のブロックに分けられており、いずれもその中心部付近に大型都市が存在する。「バビロン」に攻め込むにはそうした各地の都市を制圧して少しずつマップ中心部へと近づいていかなければならず、そのためにはプレイヤー同士の大規模な共闘が必要になる。

そこで必要になるのが「連盟」だ。これを結ぶことで、相互の不可侵と領土の通行許可、そして大規模な攻城戦イベントへの参加が約束されることになる。都市を攻撃する場合には歩兵や騎兵だけでなく、攻城兵器なども必要であり、必要な戦力を揃えるには他プレイヤーとの連携が重要だ。

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「技術」を育て、「遺産」を建築。自らの手で文明を育てていく没入感がたまらない

ゲームシステムとしては既存のモバイル向けストラテジーに近いものながら、タイトル通り本作も味付けはがっつり「シヴィライゼーション」。例えばシリーズではおなじみの技術ツリーなどもそのひとつだ。

歴史上の人類が科学を進歩させながら発展してきたように、本作でも毎時少しずつたまっていく科学力によって新たなテクノロジーを獲得することができる。

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技術ツリーが進むことで「トレード」など新たなコマンドが開放されたりするほか、「鉄インゴット」など新たな戦略資源を獲得できたり、時代の最先端を行く新たな兵種の開放にも繋がるなど、戦力向上にも重要な要素だ。

「国土の植林や潅漑に挑む不屈の精神の持ち主には~」なんていうおなじみの名言ボイスがしっかり聞けるのも嬉しいところ。

こうした技術の獲得のほか、文明全体の「生産力」が一定の値を超えることなどで「時代」も進展。「太古」から「青銅器」、「鉄器」の時代、「中世」を経て、「産業時代」まで繋がってゆく。進歩と時代の歩みをゲーム上で感じられるのは「シヴィライゼーション」ならでは。

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特定のアクションを達成することで、技術の獲得に必要な科学力が一部割引される「エウレカ」(ひらめき)のシステムも健在だ。ツリー後半の技術は分岐が多いうえに、獲得に必要な科学力も増えているため、「エウレカ」も活用した効率的な獲得ルートを探る必要がありそうだ。

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もちろん本作では多数のプレイヤーがゲームに参加しているため、技術後進国となって戦力に水を開けられてしまうことは避けたいところ。ゲームでは戦争以外もすべてがリアルタイムで進行するため、プレイ中は常に緊張感が続く。技術面で他の勢力に遅れを取らないように、特に科学力の産出には気を付けたい。

ゲーム中で使用できる兵種は歩兵や弓兵からジェット戦闘機まで100種以上存在し、中には特定の文明に固有のものもある。「鉄インゴット」などの戦略資源を消費しなければ解放されない、より強力な兵種もあるので、なおさら土地の確保は重要になりそうだ。

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なお本作に登場する文明は、「ギリシア」「中国」「エジプト」「イギリス」「フランス」「アメリカ」「ドイツ」「日本」「朝鮮」の合計9つ。固有兵種のほか、文明ごとに異なる特性も持っている。

けっこう芸が細かいなと感じたのは、選択した文明によって都市の外観はもちろん、ゲーム中のBGMやアドバイスなどを行ってくれる助言者役のキャラクタービジュアルまで変わることだ。こうした細かいところもゲームへの没入感を高めてくれる嬉しいポイントだ。

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使用する文明が変わると「助言者」のキャラもその文明に合ったものに変化。テキストでは伝わりませんが、BGMもオリエンタルな感じになってます

ゲームのメインがPvPとなっているため、勢力ごとの固有能力はバランスブレイカーとなるようなとびぬけて強力なものはない一方で、特定の「遺産」を建設することで能力が大きく向上する文明もあるようだ。

例えば「ピラミッド」を建設すればエジプトに、「アルテミス神殿」を建設すればギリシアにボーナスが得られる。「遺産」は個々人のプレイヤーではなく、連盟全体で協力して建設する必要があり、もちろん莫大な資源も必要になるが、その分リターンも大きい。グラフィックも壮大なので、ぜひ狙ってみたいところだ。

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超マイナーな世界の英傑から日本の戦国武将、果てはあの歴史ドラマの主人公まで大集合。ドリームチーム作れます

本作のもう一つの大きな特徴が、世界各国の英傑たちが「英傑」として多数登場し、ゲーム内で活躍させられることだ。その数は総勢で100名以上

「戦国時代」や「三国志」をテーマにしたストラテジーゲームでも、登場する武将たちを集めてドリームチームを結成させたりすることはこの手のゲームの楽しみのひとつだが、本作は世界中の、それもこれまでの人類史全てが舞台になっているので、登場する人物の出身・年代も非常に幅広い。

なかには「こんな人までシヴィライゼーションに!?」と驚くような人物もいるので、その一部をご紹介したい。

まずはざっくりシリーズにも登場している人物を何人か。「シヴィライゼーション」のアイドルこと「モンテスマ」や、カルタゴの名将「ハンニバル・バルカ」、別ゲームでも金ぴか大人気の「ギルガメシュ」など。いずれもイイ感じのビジュアルをもらって颯爽と登場している。

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もちろん100人以上もの人物が登場するのだから、現地では有名かもしれないが、日本ではあまり知られていないような人物も多い。

中でも面白かったのが「ラグナル・ロズブロークの息子たち」として知られる北欧の伝説的なヴァイキング“剛勇”「ビヨルン」“骨なし”「イーヴァル」「ウッボ」らの兄弟が揃って入っていること。

たぶんこれ、開発メンバーの中に「『ヴァイキング』【※】のファンがいただろ!」という感じで、なんとなくビジュアルもそれっぽい。この3人がいるのに“蛇の目”「シグルド」がいないってそういうことじゃないんですか。

※『ヴァイキング 〜海の覇者たち〜』
Netflixで配信されている「ヴァイキング」をテーマにした人気ドラマ。人がたくさん死ぬので面白い

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一方で日本からも多数の英傑が参戦している。まずは言わずと知れた「織田信長」や「豊臣秀吉」という戦国時代の覇者たち。信長は『シドマイヤーズ シヴィライゼーション V』でも日本の指導者として登場していたので、シリーズのファンにもなじみがある。イラストもイメージばっちりだ。

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だが日本人的に面白いのはここからで、なんと本作では「明智光秀」を始め「柴田勝家」「丹羽長秀」「滝川一益」といった歴史ファンじゃなければ知らないような織田家の重臣たちまで登場。果ては「武田信玄」やら「本多忠勝」などもおり……あれ、これって『信長の野望』だったっけ?

日本でこれなら中国なんかは「呂布」「関羽」「諸葛亮」みたいな感じなのでは! と、わくわくしながら調べると、現れたのは「始皇帝」(嬴政)「白起」「蒙恬」といった激シブの秦帝国セットではありませんか。そりゃ本国では有名人なのだろうが、個人的にはかなり面白いチョイスである。

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また「孫武」(孫子)や「墨子」といった兵家・思想家なども登場するのは、さすが中国英傑の層の厚さといったところ。こうした人物が「シヴィライゼーション」に登場して活躍してくれるというのは、正直かなりわくわくする。

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なんて思っていたら、なんと「ムーラン」(花木蘭)まで登場するらしい。さすがに見たときにはすぐにあの「ムーラン」に結びつかずに、気づいたときにはかなり笑ってしまった。さすがに使ってみたすぎる。

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おとなり韓国からもなかなか面白い人物が登場。なんと「チャングム」が登場するらしい。昨今の若い方には「誰だよ」と思われそうなのだが、その昔日本でも大ヒットした韓流ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』の主人公と思われる。い、いいのか、これ……?

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「ムーラン」や「チャングム」などはおそらく映像作品の原典となった物語などからの出演、ということなのだろうが、こうした人物たちが世界の英雄たちに混じって「シヴィライゼーション」の世界で活躍するのは、ちょっと面白すぎるポイント。

おそらくこうした英傑キャラクターなどはリリース以降にも追加されていくことが予想されるので、これからどんな人物が登場してくるのかも楽しみだ。


ここまで紹介してきた通り、本作は壮大な戦争ごっこが楽しめるスマホストラテジーの要素と、「シヴィライゼーション」らしい“自らの手で歴史を紡いでゆく”という面白さを組み合わせたタイトルだ。

コンソールのシリーズタイトルに比べるとゲームとしてはシンプルなシステムに収まっており、スマートフォンでプレイできる手軽さも相まって、スキマ時間でちまちまプレイを進めていくこともできる。その一方で、PvPゆえの戦略性の高さもゲームの大きなポイント。

自分ひとりだけではなく、多くのプレイヤーが凌ぎ合うなかでゲームが進んでいくというのも、まるで実際の人類史のようで面白い。本作でどのような歴史が紡がれてゆくのかは、プレイヤーひとりひとりの歩む道次第だ。

『シヴィライゼーション: 時代と盟友』は6月19日(木)リリース。

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ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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