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ツリ目小柄上司×片メカクレちゃらんぽらん隻腕部下のバディが怪奇現象を調査する『天使機構執行部魂救済課』が“癖”のカタマリで超期待。ビジュも演出もBGMもシステムも、あらゆる部位から“ヘキ”と“好き”があふれてる

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「インディーゲームの魅力とは?」と聞かれた時、僕はいくらか悩んだうえでこう答えます。「制作者の『これを見てくれ!』ビシビシ伝わってくるところ」と。

そんな制作者さんの“癖(ヘキ)”が詰まったような作品が、『天使機構執行部魂救済課』(以下、『天使機構』)です。まずはPVを見てください。

これこれ、これですよ!

ビジュアル! 音楽! 演出! ぜったい「こういうの」が好きな人が、同好の士へ向けて作ってるじゃないですか!

ということで、今回は『天使機構』のデモ版をプレイしてわかった作品の魅力をお伝えしていきます。

7月18日から20日にかけて京都市産業館・みやこめっせにて開催中のインディーゲームイベント「BitSummit the 13th」でも、同じ内容が体験できるので、イベントに参加される方はチェックしてみてください!

『天使機構執行部魂救済課』体験版レビュー:ビジュも演出もBGMもシステムも、あらゆる部位から“ヘキ”と“好き”があふれてる_001

『天使機構執行部魂救済課』体験版レビュー:ビジュも演出もBGMもシステムも、あらゆる部位から“ヘキ”と“好き”があふれてる_002

文/うきゅう
編集/恵那

ツリ目小柄上司×片メカクレちゃらんぽらん隻腕部下!

本作は、“霊害”と総称される怪奇現象が発生するようになった世界で、霊害あるいはその疑いのある事件を調査していく、ふたりのキャラクターを主人公として展開していきます。

設定はともかく、キャラの話をさせてください。まずこの主人公ふたりからして、“ヘキ”にあふれてます。

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これですよ。「ツリ目小柄上司×片メカクレちゃらんぽらん隻腕部下のバディが怪異事件に挑む」。もうこうやってワード並べてるだけで「成ったな…」って気分になりますよね。“そういうの”が好きな人を、明らかにブッ刺しに来てる。

さらに、このゲームのイカした部分は、キャラクタープロフィールにあります。

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▲命日!!

そう、なんとキャラの命日を教えてくれるんです! いやー、なかなかないですよ。ゲーム開始から3分でキャラの命日を伝えてくるゲームは。4月7日、いったいあなたに何が起きたんだ、ツジツマさん…!!

休日の過ごし方とかもカワイイですが、流石に命日のインパクトには勝てなかったですね。

もちろん相方のダミアンくんの命日も分かります。

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▲ダミアンくんは年末に亡くなったらしい。寒空の下で逝ったのか、屋内で事切れたのか? 妄想は膨らむ。

体験版の範囲では詳しいことはまだわからないんですが、仕事着は喪服らしいし命日も設定されてるしで、どうもこの人たち自身が“霊害”、あるいは怪奇側の存在っぽいですね。

そんな彼らがなぜ怪奇事件を調査しているのか!? みたいなことは、残念ながら体験版の範囲ではわかりませんでした。き、気になる……! はやく続きを出してください!

また、主人公ふたり以外のキャラクタービジュアルもバチバチにイケてます。最初の事件「CASE1 都市伝説概論」における重要人物(と思しき少女)ココノエ コンに、その同級生らしきキモヅカ キラメ。ココノエの友人であり、とあるゲームセンターの地縛霊・マツミヤ トモリ

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ああ~、良い! 背景も含めてですが、僕はこういう「塗りムラまで見て取れるような筆致」がすごく好きです。荒々しさのなかに情熱を読み取ってしまうタチの人間なので。

それにくわえて、本作は表情も魅力的なんですよ。マツミヤさんのキメ顔、見て行ってくださいよ。

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“ヘキ”ィ~!

オシャレに突きつけろ、証言の矛盾!

と、ここまでキャラクターの画像をいくつか紹介するなかでなんとなく察しのついた読者の方も少なくないかと思いますが、本作は基本的にオーソドックスなアドベンチャーゲームとなっており、キャラの会話を読み進めていく形でストーリーが展開していきます。

とは言え、「怪奇事件を調査する」というテーマに即した推理パートも存在します。その演出がまた、光を印象的に使っていて、オシャレなんですよね。

今回は、「あるキャラクターの証言に矛盾があるのでそれを指摘しろ!」という内容が体験できました。まずは疑わしい人物を指名し……

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推理開始!

いったん星座のようなモチーフとともに暗い画面を表示しているからこそ、このまばゆいエフェクトが目に刺さる刺さる。人によっては「ちょっとやりすぎ」と思ってしまう部分かも知れませんが、こういう「トガリ」の部分にこそ、制作者の“ヘキ”が透けて見えるってもんです。

そう、このゲームに詰まってる“ヘキ”は、キャラの見た目や設定だけじゃないんです。こういった演出のひとつひとつからも、ビシビシ伝わってきます

さあ、ヘキにあふれた演出を楽しみつつ、ココノエがどんな嘘をついたのか? 証拠と照らし合わせて突きつけてやりましょう!

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いやあ、堪らんですね!

以上、『天使機構』の体験版をプレイした上での感想を、軽くレポートさせていただきました。

本作の体験版はテキストを読むのが早い人なら10分程度、遅い人でも30分もあればプレイできるコンパクトなものでしたが、そんな短時間でも本作の強みに関しては十二分に感じることができました。

体験版の最後に流れるティザームービーによると、本作のエピソードは少なくともCASE4まで用意される予定のようなので、怪奇を巡る物語がどのように展開されていくのか、今から楽しみでなりません。

今回は敢えて触れていませんが、プレイ中はクラブで掛かってそうなノリノリのBGMがプレイヤーの気分を高揚させてくれるので、ぜひ本作を見かけた際にはそういった部分にも注目してみてください!

そんな『天使機構』のデモ版も楽しめる、日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit the 13th」は京都市勧業館・みやこめっせにて、7月18日から7月20日にかけて開催中です。初日の7月18日はビジネスデイとなっていますが、残る2日は一般デイとして解放されています。会場にお越しの際は、ぜひ本作の展示ブースにも足を運んでみてはいかがでしょうか。

編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest
ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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