みんな、照(ザオ)ちゃんって知ってる?
『ゼンレスゾーンゼロ』に出てくるうさぎみたいなキャラなんですが……もしかしたら、みなさんネットのどこかで、この子が踊っている動画を見たことがあるかもしれない。
そう、「なんか踊っているあのウサギ」です。
あの、流行ってるような流行ってないような謎のダンス動画です。
うーん、何回見てもかわいい。
やっぱりザオちゃんが……
世界一? \かわいい!/
宇宙一? \かわいい!/
黒枝の?最強アイドルカワイイカワイイ超カワイイ!!
そんな感じで、表面的にもすごく愛嬌のあるキャラなのですが……実は中身が結構ドス黒、いやパワハr……いや、うん……「肉食系サラリーマン」みたいな感じなのです。かわいいウサギだと思って近づいたら、逆に喰われるような女の子なんです。
そんなザオちゃんの「かわいいだけじゃない魅力」を、もっと知ってもらいたい。そんな気持ちで、この記事を書き始めた次第です。どうぞ、ザオちゃんをよろしくお願いします。
※この記事には『ゼンレスゾーンゼロ』ver2.5のネタバレが含まれています。未プレイの方は、お気をつけください。
ザオちゃんかわいい……けど?
まあ、見てわかる通り……ザオちゃんは、とにかくビジュがかわいい。
このゲームはしょっちゅう尖ったビジュのキャラを出してくるけど、私としては、ここ最近の実装キャラのなかでは一番ビジュが刺さったキャラかもしれない。ウサギのようなデカい耳、ピンク色の体毛、ちっこい身長……どこを切り取っても「かわいい」しかない!
ライカンやプルクラ然り、『ゼンゼロ』は私のような「ケモ」にあまりハマっていないはずの人間にも、絶妙に「刺す」感じのキャラを作ってきがちな印象がある。その点、ザオちゃんは『ゼンゼロ』的には間違いなく2025年のケモエースなのだと思う。人類に眠っているケモ因子を目覚めさせるためのキャラなのだと思う。
さらに、このビジュで、武器はデカい鉞鉈(まさかりなた)を持っている。
自分の身長くらいはありそうな獲物を振り回して、敵をなぎ倒していく。タイプとしては「防護」なものの、まさに「ボーパルバニー」といった感じの凶悪な戦闘スタイルだったりする。
……の割に、ダッシュ時にはカートゥーンよろしくな足をグルグルしながら走る「アレ」を見せてくれたりする。この子はコメディキャラなのか? それとも凶暴キャラなのか? どっちなんだ!?
とにかく、ザオちゃんはなんとも絶妙なバランスで成り立っている。
ポップでふざけているように見えて、いざ戦い始めると結構ガチ。ある意味、『ゼンレスゾーンゼロ』らしさが極まったキャラクターなんじゃないかと思う。

そんなかわいいザオちゃん……実は、中身が結構「オトナ」なんです。
見た目通りに、中学生くらいの子なんじゃないかって?
いやいや、そんなことはありません。
彼女は「クランプスの黒枝」という組織で、「常勝不敗の裁決官」と言われているほどの圧倒的な戦績を誇っている……もっとわかりやすく言うなら、「スーパーエリート」なのです。この見た目で、超エリートサラリーマンです。
精神年齢は正直30代を超えているんじゃないかと思うほどに、いろいろな修羅場をくぐってきて、なんかもう成熟しまくっている。部下や同僚に、若干パワハラ気味の言動をしたりする。


つまり、ザオちゃんは「この見た目で、思ったより中身がエリート社会人」というギャップが、キャラクターとしてのコアでもある。
かわいい草食系ウサギに見えて、実は肉食系。
子どもっぽいようで、実はエリート社会人。
かわいいけど、舐めてかかったら逆に喰われる。それがザオちゃん。
かわいく踊っているだけだと人畜無害に見えるけど、中身は会社の上司とかにいてもおかしくない。正直、ザオちゃんの言動に胃が痛くなってくる社会人の方も多いかもしれない。でも、そこがいい。
実は肉食系エリート……でも?
そんなザオちゃんのモットーは、「等価交換」。
なにをするにも、お互いに「価値」を差し出さなければ動かない。
ザオちゃんを動かすには、彼女を動かすだけの「価値」を差し出す必要があり、逆にザオちゃんもその価値に応じて働く。これは社会として、当たり前のルールかもしれない。ただ、ザオちゃんはもはや脅迫的なまでに「等価交換」にこだわっている。
人と人を繋ぐ、一番たしかなつながりは、結局「価値」があるかどうか。
友情、愛情、信頼……そんなものは、一度皮を剥がせば「価値の等価交換」でしかない。その価値を差し出せない人間とは、交換する必要がない。付き合う必要もない。価値を失った人間は、捨てられるだけ。
ずいぶん悲観的な人間の捉え方だな……とは思うけど、社会人のみなさんは、きっと理解できる思考なはず。オトナになればなるほど、みんなザオちゃんに近づいていく。「価値」の絡まないやり取りなんて、信用に値しない。社会ってそういうものだよね。
だけど、実はそんな「等価交換」至上主義は、ザオちゃんの悲しき過去から来ているのだった──悲しき過去きたあああああ!!!!!
このゲーム、どのキャラ相手にも「悲しき過去」を用意してるから、なんかもう最近ストーリー内で悲しき過去が明かされると、反射で「悲しき過去きたあああ!!!」と思うようになってしまった。『ゼンゼロ』すぐ悲しき過去する。ごめん話すごい逸れた。
過去、家族に「価値がない」と捨てられてしまったザオちゃん。
そこから必死に生き続け、どうにか「黒枝」のスーパーエリートにまで登り詰めた。自分の価値を証明するために。もう、誰にも捨てられないために。彼女は「常勝不敗の裁決官」になった。
ザオちゃんだけ、なーんにもないんだ。
いちおう、人一倍負けず嫌いではあるんだけどねえ。ちょっと気を緩めたら、黒枝なんてあっという間にクビになって、
あの価値のない生き物に戻っちゃうかもしれないの。だから…キミたちが見てるザオちゃんは、
朝から晩まで、必死で取り繕ってる虚像のすがた。「常勝不敗」なんて肩書にしがみついてるのも、
失敗したらそこで終わりって恐怖に追い立てられて、
おヒザを擦りむきながら頑張ってきたことだけが、ザオちゃんの財産だから。
ザオちゃんが見せているあの姿は、必死に自分を取り繕っているだけの姿だった。
「かわいいようで、実はエリート社会人」に見えて……本当は、必死に自分を強く見せている臆病なウサギでしかない。
「草食系なようで、実は肉食」に見えて……本当は、野菜の方が好きなのに、それじゃカッコつかないから「お肉が好き」と言い張っているだけでしかない。
すごく、現代的なキャラだなと思うんです。
人はみんな、価値に縛られている。本当はみんな「価値だけがすべてじゃない」とは理解している。だけど、それじゃ社会は生きていけない。「価値のあるもの」が溢れている現代だから、必死に……ウソをついてでも、「自分の価値」を誇示しなきゃいけない。みんな、そうやって生きている。
ザオちゃんだって、皮を剥いでみれば、そんな「現代の人」でしかない。どんなエリートに見えても、みんなが苦しんでいることに悩む、ひとりの人間。そんな身近さがザオちゃんのいいところであり、ザオちゃんの「人間臭さ」でもある。私は、そんなザオちゃんの「人間っぽさ」が好き。

そしてザオちゃんは、「等価交換」を投げ捨てて、戦いに挑む──「価値」なんかよりも大切な、友だちのために。
ここまで含めて、ザオちゃんのこと好きなんですよ!
こんなカッコいいキャラいないでしょう!!
だから、ザオちゃんは、「かわいいようで、カッコいい女の子」なんだと思っています。実は臆病な自分を隠して、必死に取り繕って、それでも最後は「価値」を捨てて戦ってくれる。オトナってかっこいいんだぜ。価値なんかなくたって、誰かのためにオトナは動けるんだぜ!
人間の本当の価値なんて、誰にも決められない。
どんなに滑稽だったとしても、「価値を証明したい」と頑張り続けるその姿は、誰にも笑う権利はないはず。その努力は、なによりも価値に値する! かわいいウサギで、かっこいいオトナなザオちゃんは、最高の「価値ある」キャラクターなんだ!







