『龍が如く 極3』は、プレイヤーの「父性」を爆発させるゲームだ。
なぜなら、主人公が面倒を見ることになる子どもたちが反則級にかわいいから。
とくに本作のメインヒロインである遥(はるか)ちゃんに「頑張ってね、お父さん♪」と言われた瞬間、筆者の情緒は完全に崩壊した。
「ああ、俺は今日からこの子たちの父親になるんだ……」と決意を固めてしまうほどかわいい。

本作は、約17年前に発売されたアクションRPG『龍が如く3』のフルリメイク作品である。主人公は、“伝説の元・極道”である桐生一馬(きりゅうかずま)だ。
ゲームとしては珍しい“任侠ドラマ”が描かれる『龍が如く』シリーズに対して、夜の歓楽街や血なまぐさい抗争といったイメージを持つ方も多いことだろう。そのイメージも、決して間違いではない。
だが、本作では極道から足をあった桐生は沖縄の「養護施設アサガオ」(以下、アサガオ)で身寄りのない子どもたちを育てている。そこで描かれるのは大抵の物事を暴力で解決してきた不器用な男が、汗水たらして育児に奔走する姿だ。
オリジナル版でも桐生と子どもたちの絆を描くストーリーは展開されたが、フルリメイクされた本作『龍が如く 極3』では実際に子どもたちの面倒を見ることができるコンテンツ「アサガオライフ」が追加された。子どもたちの宿題を見たり、ご飯を作ってあげられるようになり、より深い絆を感じられる内容になっている。
ということで、本稿では、約17年ぶりにリメイクされたアクションRPG『龍が如く 極3』をプレイした筆者が体験した“パパみ”溢れる沖縄のスローライフと、現代の技術でグラフィック・システムともに進化したゲームプレイ内容の魅力を紹介させてほしい。
※この記事は、『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』の魅力をもっと知ってもらいたい株式会社セガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
汚い金は一切使えない。ケンカで稼いでごめんなさい
『龍が如く 極3』をプレイしていて最初に唸ったのは、本作の主人公である桐生一馬が運営する「アサガオ」の経済システムだ。
結論から言うと、桐生がケンカで稼いだような「汚い金」【※】は、育児には一切使えない仕様になっている。
※桐生がケンカで稼いだ「汚い金」
桐生は元・極道であった風貌が隠しきれていないためか、町中でチンピラに絡まれてしまう。桐生は正当防衛することで状況をのりきるが、その際にチンピラからお小遣いをもらえるシステムになっている。
「アサガオ」を運営するために使用する資金は、自ら食材などを調達して沖縄の商人におろすことで稼ぐしかない。
では、そもそも筆者はなぜお金を稼ぐ必要があるのか?
それは家事育児に追われてとんでもないオーバーワークになっていた少女「遥ちゃん」の姿に気づいた時であった。
遥は「アサガオ」のために、炊事や、掃除といった家事だけでなく、庭園での栽培や牛・鶏など家畜の世話をこなしつつ、地域の自治体の方々と交流して野菜を売買して生活費の足しにしていたのだ。
上記の多忙さにも関わらず、「アサガオ」の子どもたちは年長さんである遥に対し「宿題を見て欲しい」「腹減ったよ~」「一緒に遊ぼうぜ」と立て続けに声をかける。遥はため息をつきながらも、すべての要望に対応する。
どう見ても働きすぎである。
なんとかしなくてはならない。
そう感じたのは筆者だけではなかったようで、状況を見かねた桐生は率先して子どもたちの面倒を見ることを決意する。 (「今までやってなかったのかよ」というツッコミは全面的にしていいと思う)。
最初は「不器用なおじさんにできるかなぁ……」と不安そうにつぶやく遥であったが、「人間、やる気があればできないことはない。」と断言する桐生。この男、本気だ。
では、どうやって家事をこなしつつも生活費を稼ぐのか?
そうしてここから『龍が如く 極3』の新要素「アサガオライフ」が解放される。
プレイヤーは桐生を操作して子どもたちの面倒を見つつ、庭園での栽培や料理、漁などを繰り返して食材を調達する。そして、 「アサガオ」に設置してある掲示板に寄せられた地域住民の依頼をこなし、正当な労働対価として運営資金を稼ぐのだ。
ここで重要なのが、先述した「汚い金」の扱いだ。
街中でのケンカバトルでチンピラから巻き上げたような金は、「アサガオ」運営資金として流用できない。庭園の土壌の改良や、設備の拡充などを行いたい場合は、あくまで地域の方々に食材などを買い取ってもらう形で資金を稼ぐ必要がある。
この仕様には、「綺麗な金しか子どもたちには使いたくない」という桐生の美学が、ゲームシステムとして昇華されている……のかもしれない。
生活苦に陥っている「アサガオ」に対して「よし!さっそくケンカで稼いでくるか!」と意気込んでいた自分が恥ずかしい。
余談だが、「アサガオ」の財布の紐を握っているのは遥である。桐生が野菜などを依頼主に納品したりして一定の成果を上げると、桐生は遥から「お駄賃」がもらえる。
ときには4万円や7万円もの大金を「おじさんすごいね~」と軽いノリでお小遣いとして手渡されるのだ。そのお金、どこから稼いできたの?
関東では伝説の龍と呼ばれていた男、桐生一馬が、沖縄の家庭内では遥の手のひらの上で転がされているのだ。なお、この「お駄賃」は運営資金とは別枠なので、桐生の能力強化や装備品に自由に使える。
つまりケンカにもバッチリ使えてしまう。
桐生さん……遥が稼いでくれたその金を使って、本当にええんか?
「指詰め」モーションでカレーを作る“伝説の龍”。素材は自給自足
本作では、桐生がエプロンをつけてキッチンに立つ姿が見られる。特徴的なのはその包丁さばきだ。あまりにも強すぎる気迫。その姿は、どう見ても「指詰め」のモーションである。
「アサガオ」の子どもから「おじさ~ん」と声をかけられても「話しかけるな!」と返している。
「そこまで殺気立たなくても……」と思うかもしれないが、刑務所生活も経験し、ろくに料理などしていなかった彼にとって「子どもたちに美味い飯を食わせる」ことは人生を賭けた真剣勝負なのだろう。
しかし、桐生さんが作れる料理のレパートリーは非常に少ない。子どもたちから「カレーライスしか作れないと思ってた」と言われてしまうほどだ。
だが、遥ちゃんから「こういう施設にいる子って、心のどこかで気を使っちゃう子って多いじゃない?」と熟練の乳母のような台詞を聞いてしまう。
子どもたちは文句ひとつ言わずカレーを食い続けていたが、本当はいろんなレパートリーの飯を食べたいと願っていたのだ。「アサガオ」にいる子どもたちは育ち盛りなので、それも当然だろう。
この台詞を聞いてしまったからには、さまざまなバリエーションの料理も作ってあげたくなるのが親心というもの。遥に教えてもらった食材リストをもとに、子どもたちの要望に応えていくことになる。
一度覚えたレシピは食材さえあれば何度でも作ることができ、お弁当を作って納品すると、お金を稼いで「アサガオ」の運営資金にも貢献できる。
ただし、子どもたちの要望はとどまることを知らない。
「寿司やラーメン、北京ダックも食べたい」と「さすがにそれは店で食うやつ」とツッコミたくなるレベルで注文はエスカレートしていく。
また、本作における料理要素はただのムービーシーンではなく、実際にプレイヤーが操作をして食材を調理する必要がある。
それぞれの調理シーンがミニゲームとなっており、「切る」「焼く」「まぜる」「アク取り」といった調理を上手にこなすことでより高品質の料理を作ることができる。ここは“最強のパパ”を目指す者としては、最高評価を目指してすばやく丁寧に調理したいところ。
また、「アサガオライフ」で確保する食材は、先述したとおり畑を耕したり海で魚を獲ったりと基本的に自給自足で調達する。
子どもたちの 「お腹空いた!」という期待に応えるため、画面の前で必死にボタンを連打し、最高評価の料理を子どもたちがモリモリ食べる姿を見た時の充実感は格別だ。
子どもたちの宿題も手伝う。脳トレ気分も味わえる
“宿題のお手伝い”も、パパにとっては重要な任務のひとつとなる。
算数や漢字、英語、理科、社会といった科目ごとにクイズ形式で出題されるのだが、これがなかなかに手ごわい。程よい脳トレにもなった。
「えっと、この計算は……」と画面の前で考え込む筆者の姿は、まさに子どもの宿題に苦戦する父親そのものだった。
喧嘩なら誰にも負けない桐生が、机に向かって鉛筆を握り子どもたちと一緒に問題を解く。この姿、まさにパパである。
それにしても、筆者が子どもだったころは宿題が嫌で仕方がなかったのに、いざ子どもたちに「手伝って」と言われると、問題をときたくなるのだから不思議だ。
















