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『龍が如く極3』を遊んだら父性が爆発した。養護施設の“おじさん”として、かわいいこどもたちを守護りたい。約17年ぶりにリメイクされて、本当に料理をふるまえるようになった

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お裁縫がまるでレースゲームのよう。やはり「気迫」がすごい

宿題が終わったら、次は“お裁縫”だ。
ぞうきん、巾着ぶくろ、ハンカチなど、ミシンでなんでも作れなくては“最強のパパ”とは言えない。

布を縫い合わせる桐生の「気迫」は料理の時と同じくいたって真剣そのもの。筆者はこの光景を見ながら「桐生が縫っているのは布のはずだ。これは布だ」と心に言い聞かせていた。

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想像してみてほしい。身長184cm、体重88kgの巨漢が、小さな針と糸を巧みに操りドスの効いた眼差しで刺繍を縫い上げていくのだ。

もはや、すごみだけでチンピラを撃退できそうだが、桐生はあくまで完成した刺繍を見て喜んでくれる子どもたちの笑顔を想像しているに違いない。

筆者は真面目にお裁縫をしていたのだが、本作のお裁縫は決められたレールから外れないようミシンを導くミニゲームになっている。操作感としてはコースアウトを防ぎながらゴールを目指すレースゲームといった感触だった。

最初にプレイした時には「まさか、お裁縫がタイムアタック系のレースゲームになるとは……」と驚いた。

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なお、「お裁縫」で手に入った巾着袋やハンカチなどは余分に手に入る。これらの布グッズも地域の方々に納品することで、運営資金を稼げる。

より大量の製品を作るためには、高得点を狙う必要がある。そのためにはより早くコースアウトをせずにゴールまで向かう操作の正確さが求められるのだ。本作における裁縫は、ストイックなスピード狂の世界となっている。

リバーシしすぎて子どもの好感度がマックスに

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また、本作では「アサガオライフ」を通じて子どもたちの好感度「パパランク」を上げることができる。好感度が一定の数値まで到達すると、絆を深める専用イベントが発生する、という流れだ。

これまで紹介してきた「アサガオ」の仕事をはじめ、「ドラゴンリバーシ」などのミニゲームをプレイするだけでも好感度は上がっていく。ルールはシンプルなリバーシに近いものなのだが、子どもによって強さが異なっているため、上手な子に勝つにはかなり苦労した。

とくに「戦略を考えるのは好きなんだ」と語る少年、志郎(しろう)は強敵だった。執拗に角を狙い、一番置いてほしくない場所にコマを置いてくる戦略には脱帽した。

結果的に志郎とは15連敗し、なんとか辛勝することができた。
そのとき、すでに志郎の好感度は最大値に。リバーシのしすぎでなつかれてしまった。

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「お父さん」と呼ばれたい。その一心で育児に専念

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家庭菜園、モリ突き漁、料理、裁縫、宿題、そしてリバーシ。これらすべての行動は、たったひとつの目的に集約される。 それは子どもたちに「本当の家族」と思ってもらうためだ。

「アサガオ」に集まった9人の子どもたちは、それぞれ事情があって両親がいない。大人に気を使って遠慮している部分もあるので、少しでも心の壁を取り払ってあげたいと思うのが親心だ。

筆者がそう強く感じたのは、「授業参観にお父さんはこないの?」とクラスメイトに言われてしまい、夕飯の場に来なかった子のエピソードを見たときだ。桐生さんは食卓についた子どもたちに「先に食べていなさい」と声をかけて、残るひとりを探しに外へ向かう。

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浜辺にひとり座っていたのは泉ちゃん。彼女は悔しそうに涙を流し、 クラスメイトから「なぜ授業参観に両親が来ないのか」と聞かれたことがショックで「家族がいることがそんなに偉いの!?」とすごむ。

泉ちゃんは自分に両親がいないことは理解しているが、それを理由に学校でバカにされたことだけは納得できなかったのだ。

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そこで、ふたつの選択肢が表示された。

1.とりあえず夕飯を食べてからにしないか?
2.お前にも家族はいるじゃないか。

号泣する子どもが真剣な眼差しで問いかけている最中に「とりあえず飯にすっか!」とは言えない。ときには選択肢でふざけたくなる日もあるが、それは“今じゃない”と感じた筆者は迷わず後者を選んだ。

そのとき泉ちゃんから返ってきた“言葉”を聞いた瞬間、筆者の胸が締め付けられた。なぜなら、過去作をプレイしていて目の前にいる桐生一馬という男の半生を知っているからだ。

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画像は『龍が如く 極』より

桐生も孤児として養護施設「ヒマワリ」で育ち、極道に育てられた過去を持つ。血の繋がっていない親、兄弟とともに成長し、愛した女性の形見である遥の手を引き沖縄へやってきた彼は、血のつながりを超えた絆の強さを知っているのだ。

だからこそ、桐生は「親がいない」という苦しみや、孤独さに寄り添える。
かつて自分が愛情を注いでもらったように、子どもたちの本当の家族になろうとしている。

「この子たちの家族になるんだ」 そう固く決意した筆者は、コントローラーを握る手に力を込めた。最強のパパとして、明日からも料理を作り、宿題を手伝い、額に汗して働こう。 すべては、“家族”の笑顔を守るために。

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また、子どもたちの好感度を上げると、専用のイベントが見られる。
そこでは、今まで桐生のことを「おじさん」と呼んでいた子が「お父さん」と呼んでくれるシーンも拝める。

遊び疲れた子をおんぶして、我が家に帰る。画面の向こうにいるのは、必死に仕事をして飯を食わせてきた「我が子」だった。

沖縄の太陽のもと、汗だくになって子どもたちと向き合う桐生は間違いなく“最強のパパ”だ。そして、あらためて『龍が如く 極3』にフルリメイクされたことで、さらに深く子どもたちに感情移入できるようになった。

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最後に、本作の「入りやすさ」について触れておきたい。 シリーズ未経験の方で「『3』から始めても大丈夫?」と不安に思う人もいるかもしれないが、結論から言えば『龍が如く 極3』は入門用としてもちょうどいいタイトルだ。

というのも、『龍が如く』シリーズはプロローグ部分で墓参りをするシーンがあり、過去作で何があったのか振り返ることができるのだが、フルリメイクされた『龍が如く 極3』では前作までのあらすじをムービーで振り返れる。

つまり『龍が如く 極3』を買うだけで、前作『龍が如く極』『龍が如く2極』の内容を映画のように楽しんだあとに、そのまま続きが見られるというわけだ。

しかも本作は、のちのシリーズ(とくに『龍が如く7外伝 名を消した男』『龍が如く8』)に続く、桐生一馬の「子どもたちに対する愛情」や「守るべきものの原点」を確立させる極めて重要な一作となっている。

シリーズを追い続けてきた筆者も、17年ぶりに遊んで、ふたたび「アサガオ」の子どもたちとの絆を再確認できてとても嬉しかった。

最強のパパを目指して奔走する元・伝説の極道の物語。ぜひ、その手で体験してみてほしい。

また、本作は沖縄の弱小レディースチームを率いて地域の治安を守るチームバトルコンテンツ「最強列伝 ツッパリの龍」も遊べる。さらに、桐生さんとは対照的に“孤独”を抱えて極道に魅せられた男、峯義孝(みねよしたか)に焦点をあてた外伝『龍が如く3外伝 Dark Ties』もプレイできる。

桐生さんと「アサガオ」の子どもたちとの絆を確かめたあとに峯のストーリーを見ると、また違った味わい方ができるはずだ。

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編集・ライター
『MOTHER2』でひらがなを覚えてゲームと共に育った生粋のゲーマー。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳に参加し、『バルダーズ・ゲート3』が日本語化される前にひとりで全文翻訳してクリアするほどRPGが好き。 『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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