ゲーム関係のモノはだいたい35cm四方の箱に収まる
──ここからは少し具体的な収納方法を聞かせてください。ゲームの収納でいちばん厄介なモノって、映像信号や電源などのケーブル類だと思います。大きいものではVRゴーグルなど、ゲームごとに専用の周辺機器などもあります。さらに、それぞれで充電が必須だったりするんです。こういうとき、何かよい方法はありませんか?
さいとう氏:
ライフオーガナイザーの多くが実践しているんですが、充電コーナーを作るといいですよ。必然的にコンセントの近くになりますが、そこでスマホや充電式の電池などを一挙に充電します。ケーブルのゴチャゴチャ感は、箱やカーテンで目隠しして。こうすると、小物の紛失が防げる利点もあります。
──目隠しは、部屋をスッキリ見せたいときに有効ですね。
さいとう氏:
吉川さんの家の玄関は、「ロールスクリーン」で棚全体を目隠ししています。壁や棚に後付けできますし、ゲームの収納はもちろん、何の収納にも応用できるテクニックです。
──だいたい常時3種類くらいのゲームハードがテレビに接続されているんですが、とにかくテレビ裏がケーブルでゴチャゴチャで……。太くて本数も多いので、モールに収まらなくて悩んでいます。
吉川氏:
「スパイラルチューブ」でまとめる方法がありますが、配線を変えるときに手間取るので私はあまりおすすめしません。ケーブルは床置きするとどうしてもホコリがたまるので、壁などにフックをつけて吊り下げるようにしていますよ。
さいとう氏:
私は「コルゲートチューブ」を使っています。難燃タイプですし、色や太さもいろいろありますよ。基本的に、テレビの後ろは一定の空間を空けておいたほうがいいです。メンテナンスと日々の掃除がしやすいので。
──テレビに常時接続されているゲームハードはともかく、そうでないものはどうやって収納するのがいいと思いますか?
さいとう氏:
私ならフタのある箱を用意して、本体とコントローラー、ケーブル類一式を収めます。それで、使うときだけ出すようにします。掃除と管理の手間が省けることを第一に考えると、これがいちばんいいと思うんですよね。見たところゲーム関係のモノは、だいたい35cm四方の箱に収まるようなので、スタッキングできるざっくりとした箱を、おそろいでいくつか用意すれば統一感も図れます。
会田氏:
これはあくまで、インテリアの統一感を出してスッキリさせたい場合ですね。そういうことが気にならないなら、買ったときのパッケージで十分だと思いますよ。日常的な出し入れを考えると、ちょっと大変かもしれませんが。
──ゲームハードはパッケージが保証書の役目を果たす場合もあって。ふだんは使わないのに、故障修理の際に急に必要になったりします。箱だけなら潰しておけるんですが、緩衝材などがあって潰せなかったりしますし。
さいとう氏:
そういうものこそクローゼットの奥の奥とか、ふだんアクセスしない場所に収納してみてください。リビングに出しっぱなしにするのは、貴重な収納スペースのムダなのでやめたほうがいいですよ。
好きなこと、キモチイイことを突き詰めていけばオーケー!
──具体例までお聞きしておいてナンですが、けっきょくは自分のコレクションに囲まれた生活がしたいんですよね……。
さいとう氏:
ステキなことだと思います(笑)。本人がそれが好きなら、どんどんやるべきですよね。自分がどういう環境が好きなのかを考えて、突き詰めていけばいいんです。そうすれば、ひとつひとつモノを大切にしていることも伝わってきますしね。それでご家族の理解が得られればなおいいと思います!
会田氏:
自分がベストだと思える部屋の状態を、最初に思い描くことが本当に大事です。「ゲームや本を図書館みたいに保管したい」、「ゲームのパッケージをディスプレイしたギャラリーみたいな部屋がいい」とか。そういうビジョンが浮かぶと、やる気も出ますよね? 大事にしているモノをキレイに棚に並べると、そこから片づけ心に火が点くこともあります。棚に雑然とモノをしまい込んでいる方は、一度全部出して、仕分けして、入れ直すことをやってみてもらいたいです。……これは洋服でよくやる方法ですが、ゲームにも応用できるかもしれません。
──自分の場合、家じゅうのそこかしこに「とりあえず」のつもりでゲームまわりのモノを置いてしまっているから、まずはそれをかき集めるところからですね……。
さいとう氏:
私自身あまり管理能力が高くないほうなので、ふだん目の届かない場所にモノを置いてしまうと、まったく管理できなくなるんです。だから、基本的に自分が把握できるくらいのレイヤーでしかモノを持たないようにしています。
──それは正しいですね。
さいとう氏:
自分ができないことも知っておくことは大事かなと。たとえばモノを分類する要領は、トレーニングを重ねないと早くならないもので、私も以前は相当時間がかかっていました。
会田氏:
思い入れの強いものほど、分類は難しく、時間がかかる傾向がありますよ。私も昔は片づけが苦手だったので、ダイニングテーブルの上にモノがずっと放置されていました(笑)。でも、何度もくり返し片づけているうちに、早く片づけられるようになったんです。
──片づけも反復と修練なんですね……。それに、片づけたほうがいいと実感しているから、皆さんこういうお仕事をされているんですよね。
会田氏:
そうですね。私たち収納オタクなので(笑)。
──自分も片づけは大事だと思いますが、その時間がないんですよ……。
吉川氏:
それはまず時間をオーガナイズする必要があります。何のために時間を消費するかを考えましょう(笑)。
さいとう氏:
片づけは、モチベーションを持って取り組むといいですよ。「ここにスペースが空いたら、欲しかったモノを買う」とか。
──うれしいけど、それだともとの木阿弥(もくあみ)になるような?(笑)
吉川氏:
モノが少ないことがいいことじゃないですから。自分の好きなものが、自分の空間にちゃんと収まっているのがいいことです。
会田氏:
収納関連の書籍やテレビなどで薦められていたものを真似たけどできなくて、「やっぱり自分はだらしない人間なんだ」なんてご相談をいただくことが多いんですが、正解はひとつじゃないですから。必ず自分に合った整理術がありますよ。
さいとう氏:
そうです。自己嫌悪に陥るような方法はやらないほうがいいです。収納のために、大事にしているものを、無理やり捨てたりしてほしくないですね。
──そのひと言で救われます。