現地時間8月26日午後、アメリカ・フロリダ州デュバル群のジャクソンヴィルで開催されたeスポーツ大会予選にて、銃乱射事件が発生した。Electronic Artsが主催していたアメフトゲーム『Madden NFL 19』の大会予選で起きたもので、その場にいた4人の死亡、少なくとも11人の負傷が確認されたという。CNNや現地メディア、ならびに同地域の群保安事務局が事件の模様を明らかにしている。
Mass shooting at the Jacksonville Landing. Stay far away from the area. The area is not safe at this time. STAY AWAY #TheLandingMassShooting
— Jax Sheriff's Office (@JSOPIO) August 26, 2018
※群保安事務局による銃乱射事件を伝える警告ツイート。
「Madden Classic」は8月25日から10月13日にかけて開催される予定だったトーナメント大会。賞金総額は16万5000ドルで、優勝者には2万5000ドルが与えられると発表されていた。8月25日から26日には、米国南東部を対象とした予選大会が実施されており、銃乱射事件はその予選が実施されていた「GLHF Game Bar」と呼ばれる地元のゲームバーの中で起きた。
事件発生時には、大会に参加したJoe Riceことウェズリー・ギッテンズ氏と、Trueことエリー・クレイトン氏の試合が実施されており、さらにその模様はTwitchにてライブ配信されていたという。現地メディアが公開している映像からは、試合中に十数発の銃声が突如鳴り響き、さらに選手たちの顔が表示されていたワイプ映像が停止、コントローラーの接続が切れたメッセージが流れるというシーンが確認できる。
This is a horrible situation, and our deepest sympathies go out to all involved.
— Madden NFL 25 (@EAMaddenNFL) August 26, 2018
Electronic Artsの代表者はTwitterを通じて、今回の大会における事件をすでに認識しており、すでに当局と協力体制にあることを伝えている。また、今回の事件に関わった全ての人に向けて哀悼の意を示した。
I am literally so lucky. The bullet hit my thumb
— Drini (@Drini) August 26, 2018
1999年生まれのDrini Gjoka氏は、アメリカの「compLexity Gaming」と契約する『Madden NFL』プロゲーマーのひとりだ。氏は事件現場にいたそうで、Twitter上で自身の親指に弾丸が当たったと伝えている。
They took me to the hospital. Bullet grazed my head. I feel fine, just a scratch on my head. Traumatized and devastated.
— DUBBY (@DubDotDUBBY) August 26, 2018
「2017 Madden Bowl」の優勝者であるDUBBY選手は、自身の頭を弾丸が掠めたとツイートした。
RIP to Trueboy and Spotme. This is the worst day of my life.
— Stephen Javaruski (@ImSteveyJ) August 26, 2018
同じく現地にいたSteveyjの愛称で知られるスティーブン・ジャバルスキー氏は、亡くなられたと見られるTrueboy選手とSpotme選手に哀悼の意を示している。氏はロサンゼルス・タイムズの取材を受け、銃撃者がトーナメント予選で敗北したプレイヤーであったことを明かしているが、現在はメディアに対し「どうか放っておいてほしい。コメントは何もない」とツイート。死亡した選手たちに哀悼の意を示している。
なおTwitter上では氏をふくめ現地にいたと思われる人々による情報が交錯しているが、事件の全容に関して群保安事務局の捜査はまだ進んでおらず、犯人の動機などについては今後の情報を待ちたい。
事件の報道は現地で大きな衝撃と共に受け止められており、Twitter上では選手たちへの「R.I.P.」(安らかに)というメッセージで溢れ、またゲーム大会中に突如起きた事件に恐怖を隠しきれない様子があらわとなっている。
ゲームと銃撃事件においては、2015年8月にボストンで開催された「ポケモン・ワールドチャンピオンシップ」にて、複数の銃と弾薬を所持したふたりの男性が会場に入る直前に逮捕された事件があった。彼らは自身をブロックしたとあるフォーラムの管理者に「撃ってやる」と敵意を示し、それを受けて管理者が事前に通報していた。
米国では州によって銃所持に関する法律が異なるが、フロリダ州はその中でも容易に銃を手に入れることができるとされている。今年2月には、同州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で銃乱射事件が起き、元生徒によって17人が殺害された。同事件のあと、3月にはワシントンで銃規制を求める数十万人規模のデモが実施されている。
文/ishigenn