BlizzCon 2018で開催された『Starcraft II』の世界王者を決める「2018 StarCraft II World Championship Series Global Finals」(以下、SC2 WCS)にて歴史的な出来事が起きた。2012年の第一回大会からこれまで、過去一度として決勝戦に上がることすらなかった韓国人以外の選手が、なんと優勝したのだ。
この歴史的な快挙を達成したのはフィンランドのSerral選手ことJoona Sotala氏。初代『StarCraft』発売のわずか9日前に生まれたZerg使いだ。
世界大会「SC2 WCS」に参加する16名は、「WCS Korea」と「WCS Circuit」の2つのリーグからそれぞれ8名ずつが選ばれる。この2つのリーグでの優勝者並びにポイント上位者が、「SC2 WCS」に参加することができる。
近年は陰りが見えてきたとはいえ、韓国では『StarCraft』が“国技”と言えるほどの人気を十数年にわたって博しており、プレイヤーのレベルも非常に高い。実際にこれまでの「SC2 WCS」の決勝戦は、全て韓国のプレイヤー同士で行われてきたことからも、その強さがわかるだろう。
今回優勝したSerral選手は、2018年の「WCS Circuit」を快進撃で進むなど、で他の追随を許さない勢いだった。2018年に行われた大会の多くで優勝。その中には「WCS Korea」と「WCS Circuit」のプレイヤーが戦う「2018 GSL vs the World」も含まれている。「2018 GSL vs the World」の決勝で戦ったのも「SC2 WCS」決勝で戦ったStats選手だった。
最終的にSerral選手が2018年に獲得したWCSポイントは14090ポイントで、2位のShoWTimE選手が3270ポイントと4倍以上の差をつけている。ちなみにSerral選手の去年のポイントは4730ポイントで3位だった。
なおSerral選手と戦ったState選手ことKim Dae-yeob氏も、実は番狂わせを今年起こした選手だった。「WCS Korea」にて今シーズン戦いっていた彼は、6825ポイントで3位に位置していたプレイヤーだったが、ポイントで2倍以上の差がある「WCS Korea」ランキング1位(14250ポイント)のMaru選手を打ち倒して世界大会へと足を進めた。
決勝戦は3対0でSerral選手が優勝に手をかける中、Stats選手も負けじと2本取り返す熱い展開だったが、最終的に4対2で決着となった。
韓国勢以外が優勝するという初の事態に、ファンからの大歓声がこだまする中、『StarCraft』20年の歴史に大きな功績を残したSerral選手は、トロフィーを高々と掲げた。
文/古嶋誉幸