NIS AmericaはGRASSHOPPER MANUFACTUREが開発した『killer7』のPC版を11月16日にSteamにてリリースした。価格は2480円、11月23日まで10%オフセールが実施されている。オリジナル版と同様に英語音声、日本語字幕でプレイすることが可能だ。
デジタルアートブックと、2018年リマスターバージョンのオリジナルサウンドトラックも同時に発売されている。こちらは『killer7: Digital Limited Edition』でゲーム本体と一緒に購入することもでき、本編と同時に19%オフのセールが実施されている。
『killer7』はGRASSHOPPER MANUFACTUREが開発し、カプコンから2005年にニンテンドーゲームキューブとPlayStation 2向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームだ。
プレイヤーは超人的な能力を持つ殺し屋集団「killer7」となり、「笑う顔」と呼ばれる敵と戦う。殺し屋集団ではあるが、実際は多重人格者であるひとりの人間だ。現実の多重人格とは違い、人格を切り替えれば内面だけでなく見た目や性別すら変わり、ゲーム中では“多層人格”と呼ばれている。各人格は共通してスミス姓を持ち、それぞれが異なった名前と能力を持つ。
GRASSHOPPER MANUFACTUREのCEOとしてだけでなく、ゲーム開発者として現在も活躍中の須田剛一氏が『killer7』のディレクション、デザイン、シナリオを担当している。須田氏の手がけるゲームを特徴づける独特な台詞回しや暴力表現、性描写は、本作でも遺憾なく発揮されている。
特に、タイポグラフィと当て字を多用した台詞回しは特徴的で、トゥーンレンダリングのスタイリッシュなグラフィックと相まって独自の世界観を演出している。
実際にPC版をプレイしてみると、コントロールはXbox系コントローラーにも対応しており、Aボタンで決定、Bボタンでキャンセルの馴染みの深いものになっている。ゲーム内での操作説明もそれに準じており迷うことはないだろう。
またレーティングの関係でPlayStation 2版は暴力表現などがマイルドになっていたが、PC版はニンテンドーゲームキューブからの移植となっており、オリジナルに忠実となっている。
2018年にGRASSHOPPER MANUFACTUREは創業20周年迎え、記念イベントで須田氏は『killer7』のリマスターを行いたいという発言をしており、5月末にはSteamページもオープン。2018年秋のリリースが発表されて以来多くのファンがリリースを心待ちにしていたが、なんの予告もなく突然のリリースとなったのは、なんとも「らしい」というべきだろう。
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『killer7』が発売されて10年以上経った。ファンにはとっては懐かしく感じるゲームだが、初めてプレイする人には時代を感じさせない新しさを感じさせる色あせないゲームだ。ニンテンドーゲームキューブとPlayStation 2で発売されたゆえ、今ではけっしてプレイしやすいゲームではない本作だが、ファンだけでなくこれまでにプレイする機会に恵まれなかった人も、今こそプレイしてみてはいかがだろうか。
文/古嶋誉幸