『EVE burst erroe』の1年後を描く新作『EVE rebirth terror』が正式発表された。対象プラットフォームはPS4とPS Vita。リリース時期は2019年4月25日とされている。
『EVE rebirth terror』は、シリーズを通すと『EVE new generation』から数えて13年ぶりの新作になる。1995年に発売された初代『EVE burst error』から1年後の物語を描く。
主人公はこれまでのシリーズとおり私立探偵の天城小次郎と捜査官の法条まりなで、それぞれの視点で物語が描かれるようだが、さらに1998年に発売された『EVE』シリーズ二作目『EVE The Lost One』の主人公である桐野杏子が登場するようだ。また舞台のひとつにエール外国人学校が含まれていることが明らかになっている。
本作のシステムは昔ながらのコマンド選択型を取っているが、現代に沿うようにメリハリをつけた仕様になっているほか、移植版である『EVE burst error R』で搭載されたヒントモードが搭載。同作のヒントモードは、どの選択肢を選んだらフラグが立つのかが一目でわかるようになる機能で、任意に切り替えることができる。これをオンにするこによって、コマンド選択型が苦手な人でも、詰まることなくテンポよく物語を読み進めることができる。
シナリオはさかき傘氏、キャラクターデザインと原画は巖本英利氏が手がけることが明らかになっており、さかき傘氏はかつて自身のブログで、原点である『EVE burst error』のシナリオを手がけた菅野ひろゆき氏の訃報に対し、「人生で五本の指に入るほど影響を受けてます」とコメントしている。
また声優はまだ発表はされてないが、ボイスがつくようだ。
PS4版とPS Vita版では、ゲーム内に同梱されている特典が違っており、PS4版は原点となる移植版『EVE burst error R』が丸ごと同梱。PS Vita版にはミニエピソードビジュアルノベルが収録されている。限定版には原画集が同梱されているほか、Amazon限定版も存在しており、こちらには『EVE rebirth terror』のオリジナルPC壁紙と、『EVE burst error R』の全48曲のオリジナルサウンドトラックが配信されるという。詳細は公式発表を待ちたい。
シリーズ原点である『EVE burst error』は、故・菅野ひろゆき氏(当時は剣乃ゆきひろ)が手がけたアドベンチャーゲーム。ふたりのキャラクターの視点から事件やドラマを多角的に描く手法や、コミカルでかつハードボイルドなシナリオ、魅力的なキャラクター、サスペンスを盛り上げる演出、梅本竜氏と高見龍氏による音楽は極めて評価が高い。『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と共に、菅野氏の代表作とされている。
以後、桜庭一樹氏(当時は山田桜丸)が手がけた『EVE The Lost One』、打越鋼太郎氏氏が手がけた『EVE new generation』など、著名なシナリオライターを起用して続編が制作されたことがある。2010年にはPSPで初代を大幅にリメイクした『burst error EVE the 1st.』が発売されたが、ユーザーからの評価は得られなかった。
以後、シリーズの音沙汰がなかったが、2015年にHOBIBOXから『EVE burst error』にちなんだブランド「El Dia」が立ち上げられる。El Diaは『EVE burst error』、『DESIRE』、『慟哭 そして…』といった90年代の名作アドベンチャーゲームを、オリジナルのエッセンスを失わず、堅実に現代的な移植を行い、ユーザーから好評を博している。今回の『EVE rebirth terror』も旧来のファンの信頼を失わない丁寧な作りを心がけているようで、期待が持てそうだ。
文/福山幸司