任天堂は、2018年にニンテンドーeショップでDLされたNintendo Switch向けソフトのランキングを発表した。
このランキングでは、パッケージソフトとDL版の両方がある「パッケージソフト ダウンロード版」という項目と、DL版オンリーのタイトルが集められた「ダウンロード専用ソフト」の2項目に分けられて上位30タイトルが発表されている。上位3タイトルは以下のようになる。
■パッケージソフト ダウンロード版
・1位:『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
・2位:『マリオカート8 デラックス』
・3位:『Overcooked 2 – オーバークック2』
■ダウンロード専用ソフト
・1位:『ヒューマン フォール フラット』
・2位:『Stardew Valley』
・3位:『ぷよぷよeスポーツ』
それぞれのタイトルを詳しく見ていこう。破竹の勢いといえる『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』はやはり「パッケージソフト ダウンロード版」でも1位を獲得。DL版の具体的な販売数こそ発表されていないものの、2018年中に、日本国内ではパッケージ版が230万本を突破しており、同様にDL版もかなりの勢いがあったものと見られる。
2位の『マリオカート8 デラックス』は2017年4月28日に発売されたタイトルだが、それでもランクインを果たしている。もともとおすそ分けプレイで友人や家族と一緒に遊びやすく、Nintendo Switchのスタイルと合致していることが大きいだろう。ランキング全体を見ても、そういったマルチプレイ向きタイトルが多くランクインしている。
2018年7月には『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』とのコラボが実施、さらに2018年6月にはバイクToy-Conに、9月にはクルマToy-Conに対応するといったアップデートも欠かさないのも要因だろう。なお、本作は全累計だと1171万本の販売を記録しており、Wii Uのゲームに要素を追加したタイトルだと考えると驚くべき成果を残しているうえ、まだ人気が続いているようだ。
3位は『Overcooked 2 – オーバークック2』である。こちらもマルチプレイ向けのクッキングアクションゲームで、2018年8月7日にDL版が販売開始、2018年11月29日にパッケージ版が発売されている。
前作となる『Overcooked – オーバークック スペシャルエディション』は「ダウンロード専用ソフト」で4位にランクインしており、2018年4月下旬時点で累計売り上げ50万本を達成していた。もとよりNintendo Switchで人気に火がついたタイトルの続編がタイミングよく登場したということで、ベスト3入りできたのだろう。
「ダウンロード専用ソフト」の1位は『ヒューマン フォール フラット』になった。本作は紙粘土のような見た目をしたふにゃふにゃの「ボブ」を操作してパズルを解いていくゲームであり、2018年6月時点で全ハード累計売り上げが400万本を突破している。
もともとPC版で人気を集めていたタイトルで、とても映像映えするところも大きなポイントだろう。各種ゲーム実況動画はもちろん、任天堂の「よゐこのインディーでお宝探し生活」というWeb番組でも本作が紹介されている。お笑い芸人である濱口優氏により「ふにゃべえ」という愛称をつけられており、この名前で知っているという人も少なくない。
『ヒューマン フォール フラット』が2018年ダウンロードランキングで一位となりました。ご購入頂いた方々、任天堂様、もう感謝しきれません…。何て言っていいか…言葉も見つかりません。とても光栄です。感謝×宇宙の大きさです。(意味不明)
— Teyon Japan/テヨンジャパン (@TeyonJapan) January 18, 2019
いつか皆さんとオフ会したい…。 pic.twitter.com/pNl4wO4c3p
また、本作のパブリッシャーがテヨンジャパンであることも注目したい。ポーランドの子会社であるこのパブリッシャーは、ニンテンドーDSiウェアのころから活動を行っているが、正直なところニンテンドー3DSあたりまでは微妙なタイトルを販売・開発しているイメージが強かった。しかしNintendo Switchになってからは『タロミア』や『ザ フレイム イン ザ フラッド』など見どころのある作品の販売を担当するようになり、こうしてランキング1位に入るまで成長している。
「ダウンロード専用ソフト」2位は、田舎暮らしを楽しむシミュレーションゲーム『Stardew Valley』。本作はDL版しか登場していないものの2018年4月下旬時点で、Nintendo Switch版の世界累計販売数がミリオンに迫る状態になっていた。もともとPCで人気のあるタイトルなうえ、さらに2018年12月にはマルチプレイアップデートが実施しており、人気に拍車がかかった。
3位は『ぷよぷよeスポーツ』である。パズルゲーム『ぷよぷよ』の対戦特化型タイトルである本作は、販売本数こそ明かされていないが2018年10月25日に配信開始され、11月30日まで500円というかなりのセール価格で販売したことがランクインに繋がったものと見られる。
全般的に「パッケージソフト ダウンロード版」ランキングは任天堂のタイトルが強いものの、9位に『Minecraft』、12位に『UNDERTALE』と人気のインディータイトルのランクインも目立つ。昨今の任天堂はインディータイトルの紹介番組「Indie World」なども放送しており、それが結果に表れているようだ。
また、「ダウンロード専用ソフト」では6位に『ふたりで!にゃんこ大戦争』、9位に『みんなで空気読み。』といったスマホ向けタイトルのNintendo Switch版がランクインしている。ニンテンドー3DSのころから「スマホで人気だったタイトルの移植版」が人気を博しており、それがNintendo Switchにも引き継がれているものと思われる。
ライター/渡邉卓也