Spotlightor Interactiveは、3Dアクションゲーム『Yet Another Exhausting Day』のバージョン0.5となるデモをリリースした。itch.ioから無料でダウンロードできる。現在フルゲームリリースに向けて鋭意開発中だが、具体的な発売日や価格などはまだ未定だ。
主人公は疲れ切ったひとりの人間だ。眠くて眠くて仕方がないが、スマートフォンで動画が見たいし、読みたい本もある。「とても疲れ切ったある日」というタイトルのとおり、プレイヤーはもはや起き上がることすらできなくなった主人公を操り、芋虫のように這い回り、ぐるぐると左右に回転しながら鍵を見つけ出し、ドアを開けて次のステージへと進むことを目指す。
あまりにも疲れすぎて幻覚でも見ているのか、まともに動けない主人公には垂直の壁であっても這い回ることができる特殊能力を得ている。ままならない体でステージを縦横無尽に這い回り、眠気を覚ますドリンク剤やコインの力を借りて、目的を達成しなければならない。
ステージのそこかしこには甘い誘惑が待ち構えている。ふかふかの枕、甘いミルク、あるいは美味しそうなお酒。睡眠へと誘うアイテムにぶつかると、主人公は眠気を抑えることが出来ずに入眠する。ただ、眠ってしまったからといってゲームオーバーにはならず、集めたコインの一部が周りに散らばるだけだ。コインをばらまいたあと、主人公は鋼鉄の意志でふたたび覚醒と睡眠の狭間へと帰ってくる。
本作を開発するSpotlightor Interactiveは、北京に拠点を置くゲームデベロッパーだ。2009年にガオ・ミン氏とマ・シャオユウ氏によって設立された。インタラクティブデザインを行う開発会社だったが、本業のかたわらにゲームジャムに参加。さまざまなプロトタイプゲームの製作を経て十分な経験を積んだあと、夢だったゲーム制作の道へと舵を切ったという。
スタジオ内では、毎週金曜日を「クレイジーフライデー」として本業ではないゲームの制作に打ち込むことにしているそうで、同社初の商業ゲームである『Chrono Express』が完成。2017年にはSteamやコンソール機で『キャンドルちゃん』をリリースしており、10秒だけ日を灯すことができる可愛らしいロウソクの主人公がホラー調のマップを旅するゲームは高い評価を受けている。
不思議な雰囲気をまとった独特なゲームプレイの『Yet Another Exhausting Day』は、現在も製作が続いている。アバターの編集やコスメティックアイテムのアンロックなど、製品版に向けた機能も用意されており、これからも多くの要素が追加されていくだろう。まずはデモをプレイしてみて、本作のユーモアを体験してみてはいかがだろうか。
またゲームには日本語も含まれているが、まだ完全な翻訳とは言えないものだ。Spotlightor Interactive日本語などいくつかの言語の翻訳者も募集している。我こそはと思う方はぜひ手伝ってあげてほしい。
ライター/古嶋誉幸