開発スタジオNo Codeの設立者でクリエイティブディレクターのジョン・マッケラン氏は、ハトが戦う格闘ゲーム『Pekken』のプロトタイプ版のプレイ映像を公開した。この映像がTwitter上で大きな話題となっており、ついには開発が始まる事態へと進展しているようだ。
https://twitter.com/jon_NoCode/status/1089582641521803266
このプロトタイプは先週末のゲームジャムにてマッケラン氏が開発したもので、初代PlayStationスタイルの格闘ゲームを意識した内容になっているという。
タイトル名の『Pekken』は、ハト(Pigeon)と3D格闘ゲーム『鉄拳』(Tekken)から来ているのは明らかだろう。ハトが互いを殴り合うシュールでバカバカしい模様はSNS上で話題となり、投稿してから3日間で1万リツイートを達成した。
また、マッケラン氏は上記のツイートが1万リツイートされれば、現在No Codeが開発中の『Observation』がリリースされたあと、本格的に『Pekken』を形にすると約束していた。
実際に1万リツイートが達成されたことを受け、2019年1月30日の時点でマッケラン氏のTwitterプロフィールは“『Observation』、『Stories Untold』そして……『Pekken』?? のNo Codeの設立者”という内容へと変更されている。
なお『Pekken』の映像が投稿されていたツイートでは、ハト恋愛ゲーム『はーとふる彼氏 〜希望の学園と白い翼〜』(Hatoful Boyfriend)とのクロスオーバーを望む旨も記されていた。
同作のパブリッシャーであるDevolver Digitalは、マッケラン氏に向けて「君はこのゲームを作ることになるだろうね」とツイート。これに対し氏は「君たちが同作をパブリッシングすべきだね」と返答した。
ただしDevolver Digitalも1万リツイートを達成するとは考えていなかったようだ。達成間際にマッケラン氏に「パブリッシングするだろう?」とTwitter上で再度迫られると、同社は「パブリッシングというのは大変」と神妙に返答している。氏はさらに「約束は約束」とDevolver Digitalに迫っている。
Publishing it real hard.
— Devolver Digital (@devolverdigital) January 29, 2019
No Codeは2019年春に向けて『Observation』を開発中だ。同作は、S.A.M.と呼ばれるAIのレンズを通して、宇宙ステーションの中でエマ・フィッシャー博士とそのクルーに何が起きたのかを探るSFスリラーで、前作『Stories Untold』に続き、物語重視のアドベンチャーゲームとなる。なお、これら2作はDevolver Digitalがパブリッシングを行っている。
『Pekken』が本当にリリースされれば、同デベロッパーにとっては異色中の異色作品となることは間違いない。あるいは、タワーディフェンスとシューターを組み合わせた『Sanctum』シリーズのCoffee Stain Studiosが開発した『Goat Simulator』のように、路線変更が幸いして長く愛されるゲームとなるかもしれない。
1万リツイートを達成する前から、すでに多くのテストプレイを希望する人々が押し寄せているようだが、まだ『Pekken』は公開できる状態ではないという。ただしマッケラン氏は、「必ず届けます」と力強くツイートしている。
ライター/古嶋誉幸