Pixelated Milkは新作RPG『WARSAW』を発表した。『Darkest Dungeon』風のグラフィックとターンベースの戦闘システムで、第二次世界大戦中のワルシャワを舞台にナチスに抵抗するレジスタンスたちの活躍を描く。
プラットフォームはPlayStation 4、Nintendo Switch、PC(Steam)。すべてのプラットフォームで価格は未定だが、PC版は2019年第3四半期に発売予定だ。
『WARSAW』は第二次世界大戦中の1944年8月、ナチス・ドイツに占領されたワルシャワが舞台で、同月に起きた「ワルシャワ蜂起」をベースにしている。史実では、最終的にワルシャワ国内軍は敗北し、ワルシャワ市内はナチス・ドイツによる懲罰的攻撃で壊滅、再建には長い年月がかかることになった。武装蜂起が始まった8月1日17時には、今でもワルシャワ市内にサイレンが鳴り響き、黙祷を捧げるのが恒例の行事となっている。
Pixelated Milkは、特に戦闘システムに『Darkest Dungeon』の影響を強く受けていることを認めている。また、アートスタイルはアメリカの漫画家マイク・ミニョーラ氏の『ヘルボーイ』に影響を受けたという。
ゲームは隠れ家でのレジスタンスのマネジメント、ナチスが巡回する街の探索、そして敵との遭遇と戦闘という3つの要素で構成されている。隠れ家で準備を整え、ナチスに支配される地区を探索して資源や人材を集め、ナチスに遭遇した場合は戦闘に入る。レジスタンスと比べナチスは兵士も装備も充実しているため、戦闘はキャラクターごとに用意された固有のスキルとゲリラ戦術を用いて賢く戦わなければならない。
蜂起には否定的だが、否応なくレジスタンスに参加することになったキャラクターや、理想に燃えてレジスタンスに参加するものの、その理想が邪魔をしてレジスタンス内でうまく立ち回れない若者など、兵士や民間人、老若男女問わずさまざまなバックグラウンドを持つキャラクターがレジスタンスに参加する。
ゲームはノンリニア構成となっており、戦闘だけでなく発生するイベントもプレイする度に異なる。イベントは史実に基づいたものだけでなく架空のイベントも用意されており、登場するキャラクターの背景や物語を深く掘り下げる。
Pixelated Milkは海外メディアGameSpotのインタビューにて、ポーランドの歴史はほかの国にはあいまいなまま伝わっており、ビデオゲームのフォーマットへと変換することは難しいものであると説明しつつ、『Warsaw』はその歴史を伝える試みであると説明している。
『WARSAW』を開発するPixelated Milkはポーランドに拠点を置くゲームデベロッパーだ。10名以上のスタッフが在籍しており、比較的大きめの規模のデベロッパーとなっている。JRPGに強く影響を受けたというタクティカルJRPG『Regalia – Of Men And Monarchs』のクラウドファンディングを成功させ、2017年にリリースしている。2015年に書かれたKickstarterページでは、自分たちのことを「情熱はあるが実務経験がないことを勤勉さと透明性で補う」と説明しているが、すでにゲームをリリースする実力を示したチームと言えるだろう。
ライター/古嶋誉幸