2015年に発売された『ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-』が、ゲームから直接カットシーンを撮影し、「デジタルシリーズ」として動画形式となってIGNから独占配信されることが判明した。公開は明日3月1日からで、全7話となっている。
ゲーム『ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-』デジタルシリーズ化の予告編が公開!ゲームのカットシーンに手を加えた作品となり、IGN経由で全7話が明日より配信 https://t.co/4bCmCjo2FS #HIHOnews
— 映画秘宝 (@eigahiho) February 28, 2019
ゲーム『ALIEN: ISOLATION』は、映画『エイリアン』から15年後が舞台の作品で、時系列的には『エイリアン』と『エイリアン2』の間の物語となる。主人公は映画のエレン・リプリーの娘アマンダ・リプリー。普段はウェイランド・ユタニ社でエンジニアとして働いている。
ある日、行方不明になった母親のフライトレコーダーが回収されたとの情報を聞き、自ら母親の捜索を決意。だが、訪れた宇宙ステーションはエイリアンによって人間は全滅していた……というストーリーだ。
国内外でゲームシステム、ストーリーとも高い評価を得ていた本作。映画『エイリアン』でおなじみの、未来でありながら清潔ではなく薄汚れた宇宙船内、H・R・ギーガーによる「エイリアン」のデザインが、あますことなく見事に再現されている。
ある意味、路線としてはリドリー・スコット監督の『エイリアン』とジェームズ・キャメロン監督の『エイリアン2』の良い部分を受け継いだ、正統な続編の風格すらあるだろう。今年1月には本作のスピンオフの『Alien: Blackout』がスマートフォン向けにリリースされたばかりだ。
だが、映画『エイリアン』シリーズは大好きだが、普段はゲームをやらない人によっては『ALIEN: ISOLATION』が敷居が高いのも事実。ステルスを主体としたゲームの難易度も高めだ。今回『ALIEN: ISOLATION』の物語が動画として蘇るのは朗報といえるのではないだろうか。
ゲームの映像を流用して、新しく動画を構築したジャンルは「マシニマ」と呼ばれ、90年代中盤には興隆を見せた。ゲームに搭載されているリプレイ機能や、録画機能を使って、ユーザーが独自にゲームを素材に映像作品を作り上げてきたのである。
少なからず公式からそのような形でマシニマが制作されたこともあり、『シェンムー』の映像を使って再構築し、劇場公開もされた『シェンムー・ザ・ムービー』が有名だろう。
今回の『ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-』デジタルシリーズも、一種のマシニマとみられる。カットシーンをそのまま繋げるだけだとドラマや場面展開に不成立してしまう箇所も出てくるので、どのように編集されるのか楽しみだ。
映画がゲームになり、そのゲームが映像作品となるのは、極めて珍しい例だろう。『ALIEN: ISOLATION』はCGの水準が高い作品なので、CGアニメーション作品として問題なく楽しむことができるはずだ。
なお、日本国内での展開をIGN JAPANに問い合わせたところ、IGN JAPANでも配信予定との回答が得られた。国内の「エイリアン」ファンは、IGN JAPANからの配信を楽しみに待とう。
ライター/福山幸司