ギネスワールドレコーズは、テキサス在住のアントニオ・モンテイロ氏を「世界最大のビデオゲームコレクション」(Largest Collection of Videogames)を所有するゲーマーとして世界記録に認定した。モンテイロ氏の所有するゲームの本数は2万139タイトル。これらの膨大なコレクションのチェックには8日を要したという。
参考までに、PCゲームの配信プラットフォームであるSteamでは2018年の時点で3万本以上のゲームが配信されているが、こちらはデジタルダウンロード配信で展開されているタイトル数だ。モンテイロ氏の所有する2万本以上のゲームは、いずれもパッケージでコレクションされている。
モンテイロ氏は任天堂、ソニー、マイクロソフトから出た主要なコンソールメーカーのソフトはもちろん、キッズコンピュータ・ピコを含むセガハードやPCエンジン、アタリ ジャガーの作品など、発売時期や据え置き機と携帯機の区別なく集めている。スーパーファミコン、セガサターン、ドリームキャストなどは日本のゲームも収集している。ハードも100台以上所有しており、コレクションの全ては今も実機でプレイ可能だという。
ギネス公式サイトにて公開されているゲームソフトをコンプリート済みのハードは約20機種と大量で、リストを書くだけでも一苦労だ。40本ほどしかソフトがリリースされていない「スーパー32X」に、1800本以上リリースされている北米版「PlayStation 2」。日本でのみ展開されたNINTENDO64のオンライン周辺機器「64DD」といった変わり種のソフトもコンプリートしている。動画の中では、日本でもほぼ流通していない『日本プロゴルフツアー64』や『F-ZERO X エクスパンションキット』が紹介されている。
ほかにも、しばしば「史上最悪のマリオゲーム」とネタにされるCD-i向けゲームソフト『Hotel Mario』や、同じくCD-i用ゲームで妙なアニメ絵のリンクとゼルダ姫で有名な『Zelda’s Adventure』、米軍が兵士の訓練に使ったライフル型光線銃を利用した『Multi-Purpose Arcade Combat Simulator (MACS)』など、レアなゲームも紹介されている。特に『MACS』はその存在がほとんど知られておらず、2000年代後半にオークションサイトebayを通じてほんの数本が出回っただけという、非常に希少なゲームだ。
なお、子供のころからビデオゲームを愛してやまなかったと語るモンテイロ氏が最初に手にしたゲーム機は、北米版「メガドライブ」こと「Genesis」。初めて手にしたゲームはGenesis版『ゴールデンアックス』で、氏の大いなる旅はここから始まった。
また、2万本のコレクションを持つモンテイロ氏にとって、もっとも面白かったゲームは北米版スーパーファミコンであるSNESでリリースされた『Super Castlevania IV』だという。日本ではスーパーファミコンで『悪魔城ドラキュラ』としてリリースされたゲームだ。膨大なコレクションから選ばれた「マスターピース」に相応しいタイトルだと言えるだろう。
コンプリートされていないコンソールのリストを紹介するとき、たびたびモンテイロ氏は「Still Growing」(まだ成長中)という言葉を使っている。モンテイロ氏にとって、ここはまだ通過点。今後もさらに多くのゲームがこのコレクションに加わっていくことだろう。
ライター/古嶋誉幸