12月7日、90年代から『スーパーマリオ』シリーズの主人公マリオの声優を担当してきたチャールズ・マーティネー氏が、単一キャラクターとして100作のゲームに出演したギネス世界記録に認定された。
記念すべき100回目のマリオは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のマリオだ。なおマーティネー氏はマリオ以外にもルイージ、ワリオ、ワルイージなど、多くのキャラクターの声優も担当している。
With Craig receiving my record certificate @GWR for most video game voiceover performances as the same character – 100, as Mario – on 7 December 2018 upon the release of #SuperSmashBrosUltimate #woohoo! Many thanks to #Nintendo and #GWR pic.twitter.com/ICfKlK9hO1
— Charles Martinet (@CharlesMartinet) December 14, 2018
チャールズ・マーティネー氏の「イッツミー!マリオ!」が広く認知されたのは、1996年にNINTENDO64で発売された『スーパーマリオ64』だろう。大写しになったマリオの顔をつねったり引っ張ったりして、マリオを困らせたことがある方も多いのではないだろうか。それ以前にもマーティネー氏は、Interplay Productionsから発売された『Mario Teaches Typing』、『Mario’s Game Gallery』でもマリオの声を演じている。
マーティネー氏はもともと映画やテレビで俳優として活動しており、そのころはビデオゲームのことをまったく知らなかったという。マリオを知ったのは、配管工の声優としてトレードショーに出演するための任天堂のオーディションの話を友人から聞いたときだ。オーディション会場へと向かったマーティネー氏だが、すでにオーディションは終了。機材も撤去が進んでいたが、最後の候補としてなんとかオーディションを受けることに成功した。
「あなたはブルックリンに住むイタリア系アメリカ人の配管工です」という演技指導から、最初はステレオタイプなイタリア系アメリカ人の演技をしようと思ったそうだ。しかし直前で思い直し、シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」の主人公ペトルーチオにインスピレーションを受けた、現在のマリオとして知られる演技に変更。見事にマリオ役を射止めた。1992年の『Mario Teaches Typing』から現在のマリオの演技はすでに完成されていたようだ。
マーティネー氏はトレードショーで使用されたマリオインリアルタイム(MIRT)と呼ばれる顔認識技術を駆使したデモでの演技を皮切りに、現在世界中で愛されるマリオの声優として25年以上活躍している。このMIRTは今でもバージョンアップしながらさまざまなイベントで披露されている。
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Redditでは、酔った勢いでマーティネー氏のTwitterアカウントにお祝いのダイレクトメールを送ったファンが返信が来たことを伝えている。氏は「暖かいメッセージをありがとう!あなたの人生が素晴らしいものであること、そしてあなた自身の夢と心に従って、楽しんで人生を送ってくれることを願っています!」と伝えつつ、一杯おごりますとコメントを返した。これは受賞が発表される前のことだが、マーティネー氏の人柄を知る一助になるだろう。
マリオが世界中で今なお愛される理由には、マーティネー氏のボイスアクトが大きな割合を占めていることは間違いない。今後も、200、300と記録を伸ばし続けてくれることを願うとともに、今回の受賞を心から祝福したい。
文/古嶋誉幸
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