トライコアは『夕鬼 零』のNintendo Switch版を今夏に発売することを発表した。本作はSteamVRで4月30日に発売予定のタイトルで、Nintendo Switch版のVRモードは「検討中」とのこと。なお、SteamVR版の価格は税込み1220円となる。
本作は『夕鬼』(仮称)のプロローグ的な位置づけの作品。プレイヤーは閉じ込められた教室で、机に置かれたスケッチブックをめくり、そこに描かれる二人の少年たちの怪談にまつわる奇妙な物語を読み進めるノベルゲームだ。
物語で描かれる事象は時にスケッチブックを飛び越えてプレイヤーに襲い掛かってくる。そしてその恐怖の果てには、そもそもプレイヤーはいったい何者なのか?という理由が明らかになるという。
トレイラーを見てもらえればわかる通り、本作は雰囲気が抜群だ。夕方の教室を舞台に、映画『学校の怪談』(1995年)が流行っていた平成中頃のノスタルジックな雰囲気が3D空間として再現されている。
机に実際に置かれたスケッチブックを通してノベルを読んでいき、その外側の世界に変化が訪れるというのは、VRを活かした新しいノベルゲームの誕生の予感を感じさせてくれる。
Oculus RiftかHtc Vive必須のSteamVR版の発売は4月30日と目前に迫っているが、注目すべきはNintendo Switch版の発売が夏に予定されていること。任天堂は4月12日に『Nintendo Labo Toy-Con 04:VR Kit』をリリースし、ついにVRの進出を果たしたが、サードパーティ製のVRゲームはまだ登場していない。
Nintendo Switch版『夕鬼 零』のVRへの対応は前述の通り「検討中」とのことだが、Nintendo Switch初のサードパーティ製VRゲームになり得るか要注目だろう。
とはいえ、VRであることから着想した3D空間でノベルを読むということ自体が新鮮なノベルゲームとしても刮目に値する本作。怪談、都市伝説をモチーフにしており、懐かしくも恐ろしいゲームが待っていそうだ。Oculus Rift、Htc Viveを持っているユーザーは、Nintendo Switch版から先駆けて本作を体験してみよう。
ライター/福山幸司