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92歳になるおばあちゃんの思い出をゲームに。一人称視点ホラー『Brukel』は戦争のトラウマを今の世代に伝える

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 Lifelong Gamesは一人称視点アドベンチャーゲーム『Brukel』Steamストアページを公開した。価格、発売日は未定。コンソールやモバイル、VRへの移植にも前向きだが、まずはPC版をリリースすることに注力するようだ。

 『Brukel』の主人公は、第二次世界大戦を体験したおばあちゃんの昔話をより多くの人に知ってもらおうとしており、彼女が幼少から青年時代を過ごしたという廃墟へと不法侵入する場面から物語は始まる。必要なものは、祖母の思い出の話を補強するような品物とその写真だ。しかし、ただ廃墟で写真を撮るだけで終わるはずだった物語は、おばあちゃんのトラウマとなった経験に思いを馳せる旅へと変化していく。

 本作の最大の特徴は、同作の物語が実在する92歳のおばあちゃんが体験した第二次世界大戦の記憶に基づいているという点だ。本作を開発するゲームデザイナーで教授でもあるBob De Schutter氏に、彼の祖母Bie Verlindenさんが全面協力。Verlindenさんはゲーム中に彼女自身として出演しており、声優も務めている。

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(画像は『Brukel』公式サイトより)
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(画像は『Brukel』公式サイトより)
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(画像は『Brukel』公式サイトより)

 ゲームのプレイ時間は1時間前後と短編ではあるが、作中ではVerlinden氏への5時間に及ぶインタビューを誇張や脚色なしにまとめている。ゲームは彼女個人の経験に基づくため、歴史的な正しさを主張するものではない。本作は、戦争という現実が人々の日常生活に与える影響を若い世代に伝える。

 「祖母の世代は、ホラーゲームを娯楽として消費している我々の世代に比べて幸せではなかった。彼女の10代は生きるために食べ物を求めて奮闘し、銃声や爆発の中で息を切らしていました。」と、Schutter氏は同作の紹介文で記している。戦場となった場所に住む無実の人々に焦点を当てることで、今なお世界中で続く戦争の中で生きる人々へ共感を生むことが本作の目標だ。

 なお本作はトラウマと向き合う物語であり、戦争を一般市民の視点で描くという点で、『Gone Home』、『サイレントヒル』、『This War of Mine』といったゲームのファンに最適だと説明されている。

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(画像は『Brukel』公式サイトより)
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(画像は『Brukel』公式サイトより)

 ゲーム自体を見てみると、これまでに公開されたいくつかの映像では、写真を集めて祖母の思い出を追っていく一連の流が披露されている。たとえば人形にまつわる話であれば、廃墟の中にある人形を撮影するといった具合だ。戦闘はなく、光を使ったパズル(Light Puzzles)を解き、ズームやフォーカスなど現実に則した機能を持つスマートフォンのカメラ操作で攻略を進めるゲームとなる。

 特にインディーゲームは個人の経験を元にストーリーが描かれることは少なくない。『Neverending Nightmares』はその最たる例だろう。しかし、祖母の思い出がもととなったゲームと言うとすぐには思い浮かばない。祖母の思い出を広く伝えたいというBob De Schutter氏の思いが、『Brukel』でどのように結実するのかとても楽しみだ。

ライター/古嶋誉幸

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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
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