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犬が人間を連れ回す『PlayDog Play Tag』のインパクトがすごい。国内の社内インディーゲームとして作られた謎の本作について聞いてみた

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 公式アカウントが開設されるやいなや、瞬く間にTwitter上で拡散した謎のゲーム『PlayDog PlayTag』。人間が犬を連れ出して……ではなく、犬が人間を連れ出し(?)ビルを破壊しまくる、主客転倒ならぬ「主客犬倒」ゲームだ。

 この謎に包まれたゲームについて、本作の企画・ディレクション・広報を担当している開発の中心人物であるニューロン・エイジの山下氏に問い合わせてみたところ、実はこのゲーム、個人のインディー開発者が作ったのではなく、ニューロン・エイジという会社の少数精鋭によって作られている、社内インディーゲームだという。

 本作がまず具体的にどういうゲームなのか説明しよう。ある町を舞台に他のプレイヤーとスコアを競い合う、対象プレイヤー数2~4人のマルチプレイのアクション・バトルゲームとなる。町には犬のご飯を盗み出した泥棒が骨を落としながら逃亡しているので、その骨を取得するとスコアが手に入る。他のプレイヤーとはその骨の争奪戦を繰り広げることになる。

 しかしこの泥棒は町にある建物に逃げ込み、姿を隠すこともある。そこで人間を建物にぶつけて破壊し、泥棒をあぶりだすことができるのだ。他にも建物を破壊したときには、パワーアップするアビリティを取得することができる。基本プレイは5分程度で、制限時間内にで破壊の限りをつくせば、町全体を更地と化すこともできる。現在のところ、搭載されているマップは1つだけとのこと。

 まずはSteamの早期アクセス形式で年内にPCでのリリースを予定している。価格帯はこれから詰めていくところだが、有料のゲームになるという。コントローラーは右スティックでカメラ移動。トリガーで人間をぶんまわし、離して発射する。キーボードでTPS的に操作することも可能だ。

犬が人間を連れ回す『PlayDog Play Tag』のインパクトがすごい。国内の社内インディーゲームとして作られた謎の本作について聞いてみた_001

 ニューロン・エイジ社は、普段は家庭用、またはソーシャルゲームの部分受託開発をしているが、自社でもオリジナルタイトルとして開発しようと『PlayDog PlayTag』の開発がスタート。企画の山下氏は、普段はソーシャルゲームを開発していることから、「インディーとは何か?」というところから模索した。

 山下氏をはじめ、社内で犬好きが集まっていたので、最初は犬を散歩するゲームから始まった。そこから犬こそが主人公で、犬が遠心力で人間を振り回すというアイディアに到達。ランゲームや脱出ゲームなどの模索が続き、次第に行き詰まりを感じたときに、人間を建物をぶつけて壊したデモを作り、「これはゲームになる」と確信。現在の『PlayDog PlayTag』に行き着いたという。

 基本的にはスタッフは3人だが、社内のモーション、モデル、エフェクトなどを担当している詳しい開発者が助っ人として入るなど、臨機応援に開発しているとのこと。ゲームエンジンにはUnityを採用している。

 『PlayDog Play Tag』は、6月1日~2日に京都で開催されるインディーゲームの祭典「Bitsummit 7 Spirits」にも出展が決まっている。グッズなどはまだ考えていないが、ノベルティを展開するようだ。山下さんに本作の注目どころを聞くと、「建物を破壊する爽快感と、TPSなので犬のお尻に注目して欲しい」とのこと。Bitsummitを訪れたときは、本作に注目してみよう。

ライター/福山幸司

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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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