いま読まれている記事

キズナアイ、恋愛アドベンチャーゲーム風のシリーズ動画を投稿。同級生となって7種類のマルチエンディングからトゥルーエンドを目指す

article-thumbnail-190603e

 バーチャルYouTuberで、人工知能のキズナアイが、YouTubeに「私とデートしませんか?【7通りのエンディング】」というマルチエンディングの動画シリーズを投稿した。画面はテキストボックス+立ち絵という恋愛アドベンチャーゲーム風に構成されている。学校のクラスメイトであるキズナアイちゃんをデートに誘い、最後には告白してハートを射止めるのが目標だ。

 キズナアイは、2年前にも恋愛アドベンチャーゲーム風動画「祝・ゲーム化!私を攻略できちゃうアドベンチャーゲームが・・・!」を投稿している。こちらはエイプリルフール企画によって生まれた動画で、「キズナアイを攻略する恋愛ゲーム」を、キズナアイが自らプレイし、セルフ突っ込みをするという、入れ子構造になったようなメタ的な動画だった。

 だが今回は、視聴者がキズナアイを実際に攻略する恋愛アドベンチャーゲームが便宜的にも実現。多くのファンの夢が叶ったといえるだろう。作中ではクラスメイトである「俺」が、片思いしているクラスメイトであるキズナアイをダメ元でデートに誘ってみると、なんと承諾されてしまう。動画の最後には「動物園」、「カラオケ」、「遊園地」などの複数のデートスポットの選択肢が登場するので、キズナアイが特に振り向いてくれそうな、デートスポットを吟味して選ぼう。選択肢の行き先は概要欄にリンクされているので、その動画に飛び、TRUE ENDを目指せばクリアだ。

 しかしやはり、世界初のバーチャルYouTuberというべきか、キズナアイを振り向かせるには幾多のBAD ENDを経験することになり、難易度は高い。だが、もし選んだ動画がBAD ENDだったとしても、すぐに動画を閉じるのは早計だ。実はコメント欄にはキズナアイによるヒントが書かれている動画もあるので、それを手がかりにすると、きっとTRUE ENDまでたどり着けるはずだ。結末を最後まで見届けると、きっと視聴者は涙することだろう。

キズナアイ、恋愛アドベンチャーゲーム風のシリーズ動画を投稿。同級生となって7種類のマルチエンディングからトゥルーエンドを目指す_001
(画像はYouTube | 私とデートしませんか?【7通りのエンディング】より)
キズナアイ、恋愛アドベンチャーゲーム風のシリーズ動画を投稿。同級生となって7種類のマルチエンディングからトゥルーエンドを目指す_002
(画像はYouTube | 私とデートしませんか?【7通りのエンディング】より)
キズナアイ、恋愛アドベンチャーゲーム風のシリーズ動画を投稿。同級生となって7種類のマルチエンディングからトゥルーエンドを目指す_003
(画像はYouTube | 私とデートしませんか?【7通りのエンディング】より)
キズナアイ、恋愛アドベンチャーゲーム風のシリーズ動画を投稿。同級生となって7種類のマルチエンディングからトゥルーエンドを目指す_004
(画像はYouTube | 私とデートしませんか?【7通りのエンディング】より)

 本作のような動画におけるマルチルート、マルチエンディングというのは近年ではNetflixで配信中の『ブラックミラー:バンダースナッチ』『YOU VS WILD ー究極のサバイバル術ー』など、インタラクティブ・ドラマという一ジャンルとして活況を帯びつつある。

 まさにこういった時代の流れを読んで、キズナアイもこのような動画を制作したのかもしれない。だが、選択肢のリンクが動画内に埋め込まれているのではなく、概要欄に貼られているという、ややアナログ的な手法なのはご愛嬌だろう。このように時代の最先端を走っているかと思いきや、少し抜けていると思わせるところがあるのがキズナアイの人気の秘訣なのかもしれない。

ライター/福山幸司

関連記事:

VTuberはなぜ増え、どう駆け抜けたのか? 当事者たちが振り返る2018年【のじゃロリおじさん×にゃるら対談】

『ニーア オートマータ』のヨコオタロウ氏、Vtuber化決定。斎藤陽介氏のアイドルVtuberと共演へ

ライター
キズナアイ、恋愛アドベンチャーゲーム風のシリーズ動画を投稿。同級生となって7種類のマルチエンディングからトゥルーエンドを目指す_005
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ