YS NETとDeep Silverは『シェンムーIII』の発売日を延期し、8月27日から11月19日へと変更すると発表した。プラットフォームはプレイステーション4とPCが予定されている。
発売延期については、日本語での声明が出されており、「ほぼ準備は整っている状況ですが、ゲームを完成させる前にもう少しだけリファインする必要があります。この度、私たちが得た追加の時間は、世界中のプレイヤーに真のシェンムー体験を提供することに役立つものであると信じています。皆さまの理解に感謝します。」としている。
当初、本作は2017年12月を発売予定としていたが、2018年下半期に延期。2017年8月にDeep Silverがパブリッシングになると決まったのち、2019年発売予定から8月27日に決定していた。今回は、さらにそこから約3ヶ月の延期で、制作も詰めの段階に入ったといえそうだ。
本シリーズの初作『シェンムー』は、1999年にセガからドリームキャスト向けに発売されたアクションアドベンチャー。
ジャンルの正式名称はFull Reactive Eyes Entertainment、通称「FREE」と称され、1986年の横須賀を舞台に、そこに住むひとびとの一日の行動パターンや天候がリアルタイムで推移していく。オープンワールドゲームの先駆けとも評価されている。
総監督を務めたのは、『バーチャファイター』シリーズの鈴木裕氏。開発費に70億円を投じた超大作プロジェクトとして制作された。全11章の構想だったが、6章までを描いた『シェンムーII』を最後に未完の作品となっていた。
しかし2015年のE3で『シェンムーIII』の制作を電撃発表。Kickstarterのキャンペーンを開始し、ビデオゲームカテゴリー史上において約633万ドルという最高額の金額を集めた。
その後は、Deep Silverとグローバル・パブリッシングすることを発表。Deep Silverは『デッドアイランド』で躍進し、EU圏で『龍が如く 極』や『ペルソナ5』をパブリッシャーする会社だ。
『シェンムーIII』は、鈴木裕氏が率いるYS NETが手掛ける。ゲームエンジンにはUnreal Engine 4が使われており、物語は『シェンムーII』の直後から始まる。
『シェンムー』のようにフォークリフトでバイトができたり、ひとびとはそれぞれ生活して生態系を持っていたり、細部のオブジェクトまで作りこまれている。『シェンムー』独特のゆるやかなテンポや、FREEシステムは健在のようだ。
『シェンムーII』の発売日が2001年9月6日なので、今回の発売日の変更によって『シェンムーIII』は約18年と2ヶ月ぶりの新作となる。『シェンムーII』から首を長くして待っていたファンは、もうしばらくの辛抱といえそうだ。
ライター/福山幸司