中国のインディーゲーム開発者を追ったドキュメンタリー映画『独行』日本語版が6月25日にリリースへ。中国インディーシーンの挫折と熱気を描く

 PLAYISMはドキュメンタリー映画『独行』の日本語版を6月25日にリリースすると発表した。プラットフォームはSteam。価格はレンタルが310円、購入が520円となる。英語版タイトルでは『Indie Games in China』で知られる、5人の中国のインディーゲームクリエイターたちを追ったドキュメンタリーだ。

 本作は2年間に渡って、中国のインディーゲームシーンに密着して取材している。中心となっている登場人物は、陳静(チェン・ジン)、穆飛(Louiky Mu、ルイキー・ムー)、李遠揚(リー・ユェンヤン)、高鳴(ガオ・ミン)、王妙一(ワン・ミャオイー、Teddy Wang、テディ・ワン)の5人だ。

 彼、彼女らの中で、インディーゲームで大成功して巨万の富を得たものはいない。むしろ親に理解されず実家を追い出されてゲーム制作に没頭するが、チームに軋轢が生じて人間関係が不和に陥り欝になった人、あるいは長年かけて作ったゲームの商業的な失敗で破産し、スタジオの解散に追い込まれたりする人もいる。映画ではそんなインディーゲーム開発者たちの挫折と苦難の道が刻まれている。

(画像はYouTube『独行 日本語版PV』より)
(画像はYouTube『独行 日本語版PV』より)
(画像はYouTube『独行 日本語版PV』より)

 それでも何とかゲームが一定の成功した人もいる。高鳴の『Candleman』、王妙一の『Will -素晴らしき世界-』は日本語版が発売されているので、プレイした人もいるかもしれない。

 高鳴の『Candleman』は、少しの間だけ周りを照らすことができる「キャンドルちゃん」の冒険を描いたアクション・アドベンチャー。Steamだけではなく、Xbox Oneでも配信されるなど、高い評価を得ている。

 王妙一はノベルゲーム『Will: 素晴らしき世界』で名声を博した。『街 〜運命の交差点〜』を思わせる本格的な群像劇を扱ったゲームだ。日本ではSteam、PS4、Nintendo Switchで遊ぶことができる。彼女は中国の四大ポータルサイトである網易(ネットイース)で働いていたことでも知られている。そんな他人からみると順風満帆だったキャリアを捨て、網易を退職してインディーゲーム制作に打ち込んだ。

(画像はSteam | 『Candleman: The Complete Journey』より)
(画像はMy Nintendo Store『Will: 素晴らしき世界』より)

 そんなインディーゲーム開発者たちは、幼少にどのようなゲームに熱中し、インディーゲーム開発者へと到ったのか。本作ではその一部始終が語られており、最後まで見終わると、「独り行く」という意味の『独行』というタイトルにきっと共鳴できるはずだ。

 インディーゲームシーンに迫ったドキュメンタリー映画では、アメリカの『Indie Game: The Movie』や、日本が舞台の『Branching Paths』がある。海外ゲームであっても、英語圏に比べ、中国のゲームは言語の壁もあり、ほとんどに日本に上陸していない。しかし実態としては、百花繚乱といった状況で、一大ムーブメントを形成している。本作はその日本人には馴染みのない中国インディーゲームシーンを知るのには、打ってつけのドキュメンタリーといえるだろう。

ライター/福山幸司

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
電ファミのDiscordでこの記事について語ろう!

SNSで話題の記事

新着記事

新着記事

ユーザー協賛プロジェクト

世界征服大作戦

電ファミの記事は協賛者の皆さまの支援によって成り立っています!

世界征服大作戦とは?

電ファミのファンクラブです。ゲームを中心にしながら、ひいてはマンガやアニメなど、エンタメ全般を扱うファンクラブへの成長を目指します。主要メンバーとして、元週刊少年ジャンプの編集長・Dr.マシリトこと鳥嶋和彦氏なども参加。面白いコンテンツによる世界征服を本気で企むコミュニティです。

詳しくはこちら

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

関連サイト

その他

若ゲのいたり
榎本俊二の現代ゲーム用語大全

カテゴリーピックアップ

若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜

若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜の記事一覧