いま読まれている記事

ソニーがAIを使ったPlayStation向け音声サポートの特許を出願、アイテムの場所やモンスターの倒し方を教えてくれる技術

article-thumbnail-191001b

 ソニー・インタラクティブ・エンターテインメント(SIE)が、人工知能を使ったPlayStation向け音声サポートシステムの特許を出願していることが、特許データベース検索サービスPATENTSCOPEの情報から明らかになった。

 この技術は、PlayStationの電源を付けたりゲームを起動したりといった音声アクティベーションではなく、ゲーム内のコンテンツをAIが認識した上で、ユーザーのゲームプレイを直接アシストしてくれるというもの。

 たとえば、オープンワールドRPGをプレイ中にPlayStationに話しかけて、特定のモンスターの倒し方や武器の入手場所、目的地への移動経路などを尋ねると、プレイヤーの音声とゲームコンテンツを同時に認識して、適切なアドバイスをくれるという仕組みだ。

ソニーがAIを使ったPlayStation向け音声サポートの特許を出願、アイテムの場所やモンスターの倒し方を教えてくれる技術_001
(画像はPATENTSCOPEより)
ソニーがAIを使ったPlayStation向け音声サポートの特許を出願、アイテムの場所やモンスターの倒し方を教えてくれる技術_002
(画像はPATENTSCOPEより)

 特許データベースのサンプル画像からは、「PlayStation Assist」という名称に加えて、『The Elder Scrolls V: Skyrim』における音声サポートを想定したイメージが確認できる。

 近年、スマートフォンやスマートスピーカーの普及によって、音声認識という技術が以前より身近な存在になったとはいえ、ユーザーの意図を言葉から抽出させることを目的とした自然言語理解は、依然としてコンピュータビジョンやチューリングテストと並ぶAI完全問題として、相対的に不完全であり続けている。

ソニーがAIを使ったPlayStation向け音声サポートの特許を出願、アイテムの場所やモンスターの倒し方を教えてくれる技術_003
(画像はPATENTSCOPEより)

 今回の特許技術では、インプットとなるコンテキストデータをグローバルコンテキスト(ユーザーの質問内容など)と、ゲームコンテキスト(アイテムの場所やモンスターの弱点など)としてバックエンドサーバで別々に認識し、それをディープラーニングでAIに学習させている。これを基に、ユーザーに関する統計とゲームモデルの情報を独立したデータベースとして構築する仕組みのようだ。

 最近のGDCやCEDECでは、ディープラーニングを活用したゲーム開発ツールや、自然言語処理を使ったゲームプレイの研究が大いに注目されている。あらゆるゲームを認識して的確なアドバイスでプレイヤーを支援してくれる汎用型の音声サポート機能が実現したら、ゲーム体験そのものが劇的に変化することは間違いないだろう。

ライター/Ritsuko Kawai

ライター
ソニーがAIを使ったPlayStation向け音声サポートの特許を出願、アイテムの場所やモンスターの倒し方を教えてくれる技術_004
Ritsuko Kawai
ライター・ジャーナリスト。カナダで青春時代を過ごし、現地の大学で応用数学を専攻。帰国後は塾講師やホステスなど様々な職業を経て、ゲームメディアの編集者を経験。その後、独立して業界やジャンルを問わずフリーランスとして活動。趣味は料理とPCゲーム。ストラテジーゲームとコーヒーが大好き。
 
Twitter: @alice2501

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

Amazon売上ランキング

集計期間:2024年3月29日19時~2024年3月29日20時

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ