2Kは『BioShock』シリーズの最新作を現在開発中であると発表した。リリース時期などは未定で、開発が数年は続く見込みだという。
手がけるのはカナダのモントリオールとアメリカのカリフォルニアを拠点にした新たな開発スタジオCloud Chamberだ。2Kとして初めてのカナダに拠点を置くスタジオとなる。また、女性がスタジオマネージャーに任命されているのも、2Kでは初めてだという。
『BioShock』と『BioShock Infinite』でアートディレクターを務めたスコット・シンクレア氏や、同じくデザインディレクターを務めたジョナサン・ペリング氏など、チームにはこれまでのシリーズに携わってきた人員も多数所属している。Cloud Chamberの公式サイトでは、シニアゲームエンジニアやアソシエイトリードゲームデザイナーなど36のポジションを募集中だ。
Today, @2K announced the founding of Cloud Chamber, its newest development studio. This team of storytellers has begun work on the next iteration of the acclaimed
— BioShock (@bioshock) December 9, 2019
BioShock franchise, which will be in development for the next several years.
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『BioShock』は2007年から続くFPSシリーズ作品で、初代『BioShock』(2007)と『BioShok Infinite』(2013)をケン・レヴィン氏率いるIrrational Gamesが、『BioShock 2』(2010)を2K Marinが開発した。
『BioShock』と『BioShock 2』では、主人公がレトロな未来観の海底都市「ラプチャー」を探索していくことになる。ゲームにはプラスミドと呼ばれる特殊能力や、お金とキャラクター&武器アップグレードによるRPG要素が存在。初代『BioShock』は退廃的な海底都市の描写、多種多様なスタイルが楽しめる戦闘要素、そして一人称視点であることを生かしたストーリーテリングが高い評価を受けた。
『Bioshock Infinite』は舞台を空中都市コロンビアに移し、過去と自らの意思を持つ主人公ブッカー、ゲームの象徴といえるお供のエリザベスが登場するなど、閉塞感と孤独感が強かった前作と比べると路線が大きく反転した。Irrational Gamesならではの意外性のあるストーリー、レール移動をしながら戦うスカイフックや美しい空中都市の描写などが高く評価された。
最新作の内容についてはまだほとんど謎だが、スタジオマネージャーのケリー・ギルモア氏は「まだ発見されていない世界と物語の中で、ビデオゲームという媒体の可能性の限界を引き上げるためにCloud Chamberを設立した」と語っている。
なお今回のニュースに際し独自の情報筋から調査した海外メディアKotakuは、2Kは2015年ごろから『BioShock』シリーズの新作に着手していたと報じている。それによれば開発を担当していたのはCertain Affinityで、これまで『DOOM』や『Halo Anniversary』などの開発を支援していたデベロッパーだ。情報提供者たちによれば、コードネーム「Parkside」と呼ばれていたそのプロジェクトはキャンセルされたという。
シリーズの顔ともいえるケン・レヴィン氏は残念ながら新作『Bioshock』には参加していない。氏は現在Irrational Gamesから名称が変更されたGhost Story Gamesにて、クリエイティブディレクターとして新作の開発に当たっている。
ライター/古嶋誉幸