Valveは『Half-Life: Alyx』を3月にリリースすることを祝し、同作の発売まで『Half-Life』シリーズ全作を無料開放した。
対象商品は、『Half-Life』、『Half-Life: Blue Shift』、『Half-Life: Opposing Force』、『Half-Life 2』、『Half-Life 2: Episode One』、『Half-Life 2: Episode Two』、そしてマルチプレイ専用の『Team Fortress Classic』だ。
『Half-Life』シリーズは1998年から続くValve開発のFPSシリーズ。作中ではHEVスーツを着用した理論物理学者ゴードン・フリーマンを操作し、異世界Xenのエイリアンが侵入した世界でさまざまな戦いを繰り広げていく。特にカットシーンを用いず地続きで繰り広げられる演出デザインは当時画期的とされたほか、新たな展開や謎で引き込まれる強い物語性、また優れたAIキャラクターの存在や物理演算を用いたアクション・パズル要素で高い評価を得た作品である。
シリーズ全作が無料プレイ可能ということで、これまでまったくプレイしたことがない人は最初から遊ぶかどうか迷うところかもしれないが、『Half-Life: Alyx』に興味があってシリーズがどういう雰囲気なのかを知りたいという方は、まずは『Half-Life 2』をプレイすることをお勧めしたい。
『Half-Life: Alyx』は『Half-Life 2』の前日譚であり、『Half-Life: Alyx』で主役となるアリックス・ヴァンスは『Half-Life 2』から登場するからだ。また同作は日本語字幕にも対応している。
2004年のゲームであるため全体的に少し古いことは否めないが、物理エンジンを使った戦闘やパズル、とある東欧の都市を空気感まで再現したような写実的なグラフィックは一見の価値がある。
『Half-Life 2: Episode One』、『Half-Life 2: Episode Two』は『Half-Life 2』の後日談。ご存じの通り未完で終わっており、ファンは続編を待ちわびている。『Half-Life: Alyx』のためにプレイする意味は『Half-Life 2』より薄い可能性があるが、『Half-Life 2』の後に世界がどのように変化していくかを見る価値はあるだろう。そして多くのファンと一緒に、『Half-Life 2: Episode Three』を待つ長い旅に参加してほしい。
さらにシリーズを深く知るため、発端であるブラックメサ事件を追体験したいなら、『Half-Life』をプレイするのもいいだろう。すでに発売から20年以上経ち、クラシックな名作の1本となっている。実験中に起きた事故を辛くも生き残った研究員ゴードン・フリーマンとして、地獄と化したブラックメサ研究所で生き抜く姿を追体験できる。
『Half-Life: Blue Shift』、『Half-Life: Opposing Force』はブラックメサ事件を異なる角度から描いた拡張版だ。開発は『ボーダーランズ』のGearbox Software。『Half-Life: Blue Shift』は『Half-Life 2』にも登場する警備員バーニーの視点、『Half-Life: Opposing Force』は事件を隠蔽するために送り込まれた兵士の視点からブラックメサでの出来事を体験できる。
『Half-Life』シリーズの無料化は、3月に発売を控える『Half-Life: Alyx』の予習としてちょうどいいだろう。これまでのシリーズをプレイしながら、実に12年ぶりとなる完全新作リリースのお祭り騒ぎに参加してほしい。
ライター/古嶋誉幸