Airdorfは、ホラーゲーム『EARL’S DAY OFF』を無料で公開した。本作は「釣りゲーム」と「ホラーゲーム」を組み合わせた、少しめずらしいジャンルの作品となっている。
水辺には幽霊が集まりやすいという話を聞いたことがあるだろうか。大物を求めて早朝や深夜でも僻地に出かける釣り人にとって、怪談話は縁遠いものではないだろう。オカルトというのははばかられるが、釣り人が死体を発見するというニュースもたびたび報じられる。
『EARL’S DAY OFF』も、釣り人にまつわる怪談話をテーマにしたような作品だ。主人公は、深酒をして結婚指輪を湖で無くしたある釣り人。
妻から指輪が見つかるまで帰ってくるなと言われ、霧がかった湖に船をこぎ出す。しかし「アールの休日」(EARL’S DAY OFF)というタイトルの通り、彼は気にせず釣りを楽しみながらのんびりと過ごす。魚を釣り上げていれば、そのうち指輪を飲んだ魚も見つかるだろう。
釣りゲームとして見ると本作はかなり単純な作りで、船を目標のポイントまで移動させ、左マウス長押しでどこまでルアーを飛ばすかを決定するだけだ。右クリックでルアーを巻き上げ魚をおびき寄せ、食いついたら釣り上げる。湖は澄んでいるため魚は丸見えだ。
しかし、魚を釣りながら湖を探索すると、鍵や奇妙な肉片が沈んでいることに気がつくだろう。これらの不審な物体はゲームを先に進めるために重要なアイテムで、見つけたら魚で鍛えたテクニックで釣り上げたい。
本作は雰囲気重視で大きな恐怖やびっくりさせる要素は少ないが、釣り糸一本でつなぎ止められたルアーが湖の深い場所まで沈んでいくのは不安感をあおられる。ニンテンドウ64やプレイステーション時代を思わせる3Dグラフィックも不気味さを増大させている。
プレイ時間は15分から30分ほどのため、少し変わったホラーゲームを遊んでみたいという方は体験版を試してみるのもいいだろう。
なお『EARL’S DAY OFF』は「Horror You Haven’t Played」(あなたがプレイしたことのないホラー)主催の「Fishing Horror Jam 2020」へと出展された作品であり、これまでいくつかのホラーゲームを作ってきたAirdorfと、ゲームデザイナーのトープル・ドゥーク氏によるコラボレーションから生まれた。このほかにも釣りとホラーをマッシュアップした作品がいくつか登録されているので、興味があればプレイしてみてほしい。
ライター/古嶋誉幸