『スーパーマリオブラザーズ』のマリオやルイージ、ワリオなど、シリーズの主要キャラクターたちの声を演じてきたのがチャールズ・マーティネー氏だ。マリオとして出演した作品は100本を超えギネス記録にもなっているが、そんな氏が数少ないながらもほかの作品にも登場していることをご存知だろうか。
その作品のひとつが、2001年に発売された『シャドウ オブ メモリーズ』である。マーティネー氏はTwitter上で自身の演じたキャラクターの映像とふたたび出会い、「19年前???アアアアアアア!!!」と絶叫するツイートを投稿。そのマリオとまったく異なる演技にふたたび注目が集まっている。
19 years ago??? AAAAAAAAAAA!!!!!!! https://t.co/LOfdX8rcJL
— Charles Martinet (@CharlesMartinet) April 7, 2020
『シャドウ オブ メモリーズ』は、2001年にコナミからリリースされたPlayStation 2用アドベンチャーゲームだ。タイムトラベルを題材としており、プレイヤーは主人公アイクとして自身の死の運命を変えるためにさまざまな時代へと旅をする。
ゲームはほぼリアルタイムで時間が進んでいき、特定の時刻でなければ遭遇しないイベントも多数。死の要因を取り除き、生き残ることが目的だ。過去の選択が未来に影響を及ぼすなど、物語が多層的に構成されたストーリーを筆頭にゲームの評価も高く、名作との呼び声も多い。
チャールズ氏が演じたのは、ゲームの主要人物のひとりであるホムンクルス。プロローグでの語りの主であり、高圧的ながらアイクにアドバイスする、物語の鍵となる人物だ。マリオとはまったく違うキャラクターであり、演じる声もマリオと同じ人だとはなかなか信じられない。そんなキャラクターだけに、氏の印象も深かったのだろう。
マーティネー氏はもともと映画やテレビで俳優として活動していた人物で、マリオを知ったのは配管工の声優としてトレードショーに出演するための任天堂のオーディションの話を友人から聞いたときだという。オーディション会場へと向かったマーティネー氏だが、すでにオーディションは終了。機材も撤去が進んでいたものの、最後の候補としてなんとかオーディションを受けることに成功し、マリオの声を演じることになった。
それゆえに俳優方面でもさざまな作品に出演しており、またゲームにおいても、「生涯無敵流」や「漢イベント」など奇妙な世界観が強烈な印象を生んだ『ライジング ザン ザ・サムライガンマン』の主人公ザンの師匠「マスター・スズキ」や、『The Elder Scrolls V: Skyrim』のドラゴン「パーサーナックス」の声を演じてきた。
少し年を重ねると、以前自分がプレイしたゲームがいつの間にか十年以上前の作品になっていて驚くことがある。自身が演じたキャラクターであればそれ以上の驚きがあるのかもしれない。
ライター/古嶋誉幸