先週SteamでリリースされたRespawn EntertainmentのロボットFPS『Titanfall 2』が大健闘を見せている。Steamでリリースされたゲームをプレイする人口などを調査する外部サービス「Steam Charts」にて、本作のピーク同時接続人数が9000人を突破していることが記録された。
あくまでSteam Chartsのみの統計だが、この記録は同じくSteamでリリースされた『Battlefield 3』(ピーク時480人)、『Battlefield 4』(ピーク時1203人)、『Battlefield 1』(ピーク時1646人)、『Battlefield V』(ピーク時2034人)、『Battlefield Hardline』(ピーク時212人)のピーク同時接続人数を足した人数より多い。
また記事執筆時点で『TItanfall 2』はSteamの「人気の新作」として『Azure Striker Gunvolt 2』や『The Sims 4』に次ぐ3位に輝いている。
『Titanfall 2』は不遇なFPSとして一部のファンの記憶に残っている。本作が発売される1週間前の10月21日に『Battlefield 1』が、1週間後の11月4日に『Call of Duty: Infinite Warfare』と、プレイヤー人口を奪い合う大作マルチプレイゲームがリリースされた。
批評家からの評価は高く、ゲームの出来ではほか2作に決して劣らないものの、売上はEAの期待を下回ったことを海外メディアVenture Beatが2017年に報じている。
2020年5月に公開されたRespawnの共同設立者ビンス・ザンペッラ氏に対する海外メディアIGNの取材にて、現在『Titanfall』シリーズの新作は開発されていないが、常にそこにあるとゲームの続編リリースの可能性を排除していないことが語られている。2019年に一度VRゲームとして新作ゲームがリリースされるという発表もあったが、開発は中止されたようだ。
もし開発されるとしても、『Titanfall』シリーズの新作が見られるのはもう少し先になるだろう。
『Titanfall 2』の人口はSteamでのリリース以外でも、『Apex Legends』のリリースやPlayStation Plusの無料ゲームに選ばれたときに大きく回復していることが報告されている。これらもゲームのポテンシャルがけっして低くないことを示しているといえるだろう。
冷静に分析すれば、PC版『Battlefield』シリーズはEAのダウンロード配信プラットフォームOriginで購入済みの人が多く、Steamではあまり売れなかったのだろう。一方『Titanfall 2』は、Originの独占販売で売上の機会を大きく失っていた、と考えられる。
Originでのプレイヤー数を合わせれば、おそらく『Titanfall 2』は『Battlefield V』の人口に届かない可能性も考えられる。
それでも、『Titanfall』シリーズがまだ訴求力を失っていないことは確かだ。いつの日かまたタイタンが地上を蹂躙する姿が見られることを望んで止まない。
ライター/古嶋誉幸