おもにFlashゲームなどを掲載してきたポータルサイト「Kongregate」は、2020年末に迫るAdobe Flash Playerのサポート終了をまえに、新規ゲームの受け入れを取りやめることを公式フォーラム上で発表した。PCGamerをはじめとする海外メディアがこの話題を報じている。
サイトは7月から段階的にサービスが縮小され、前述の通り新作ゲームのアップロードはすでに終了。アメリカ中部時間の7月22日ごろにチャットルームの閉鎖やフォーラムへの新規投稿の停止などが実施され、ソーシャル機能をはじめとする多くの機能が利用不可となる。
一方、公開されている12万8000作品以上のゲームは変わらず利用可能で、作者は作品のアップデートも継続して行える。フラッシュゲームがAdobe Flash Playerのサポート終了以降どうなるかの見通しは発表されていない。
Kongregateは今回の決定について、近年の同社がポータルサイトの運営よりゲーム開発に注力していることや、Adobe Flash Playerのサポート終了を事由に挙げている。サービスの縮小にあたってサポート人員も縮小されるが、サポートチームは今後もサイト運営に最善を尽くすとしている。
海外メディアGamesIndustry.bizは、Kongregateのサービス縮小に際して複数の従業員が解雇されたことを報じている。報道によれば「事前の告知無しに解雇された」ことを複数の従業員がツイートしているという。
Kongregateの代表者は、従業員の解雇についてコメントを求めた海外メディアForbesに対し、細心の注意を払ったものの新型コロナウイルスの影響による就業方法の変化などに会社が対応しきれず、解雇が事前通達されなかったことを謝罪。12人のスタッフが解雇されたことを改めて発表した。
2020年のAdobe Flash Player終了が目前に迫り、これまでFlash文化を支えてきたサイトも変化を余儀なくされ、混乱が起きている。しかし、同じようにフラッシュゲームのポータルサイトとして栄えてきたNewgroundsは、Flash Playerを再生できるエミュレーターのruffleを利用して、アップロードされたフラッシュゲームを保全する計画を進行中だ。
また、フラッシュゲームの収集と保存を目指す「Flashpoint」プロジェクトの開発は今も進行中。現在は470GB分のフラッシュゲームを収集し、PC上で遊べるようにしている。
文化を守ろうとする人々は今も、状況の変化によって歴史的資料としてのフラッシュゲームが呑み込まれてしまわないように、さまざまな活動を続けている。
ライター/古嶋誉幸