日本のゲームデベロッパーRabbit & BearStudiosは、100人以上のキャラクターが活躍するRPG『百英雄伝』(Eiyuden Chronicle)のクラウドファンディングを、Kickstarterにて開始。愉快なKickstarterトレイラーも公開した。日本語のページも用意されている。
対応プラットフォームはPCで、リリースは2022年10月予定。目標金額は50万ドル。100万ドル以上の支援があつまれば、ストレッチゴールにてほかのプラットフォームでの展開となる。
4000円以上の支援でゲーム本編が報酬となり、支援額によって段階的に報酬が変化する。2万円以上の支援への報酬は先着順のため、是非高額で支援したいという方は早めに支援した方がいいだろう。
開発を率いるのは『幻想水滸伝』、『幻想水滸伝II』の村山吉隆氏と、『幻想水滸伝』、『幻想水滸伝IV』の河野純子氏。ふたりがタッグを組むのは『幻想水滸伝』が発売された1995年からおよそ25年ぶりとなる。
楽曲製作には『テイルズ オブ』シリーズの桜庭統氏、『ワイルドアームズ』シリーズのなるけ みちこ氏が参加。また、プロキオン・スタジオからマリアム・アボンナサー氏が参加する可能性があるという。
『百英雄伝』は、多くの価値観や文化があつまるオールラーン大陸を舞台に、100人以上のキャラクターたちが活躍するRPGだ。多くの英雄が活躍するRPGということで、村山氏らが関わっていた『幻想水滸伝』の精神的な続編ともいえる内容だ。
ゲームのキーパーソンは、神秘的な力を秘めた「魔導レンズ」の力を探索する任務にあたる帝国の若き俊才士官セイ・ケースリング、そして捜索隊に加わりセイと友情を交わす事になる辺境の村出身の少年ノア。
ふたりは戦乱の世で抵抗運動のリーダーと帝国の若き指揮官として、別々の道を歩むことになる。そして多くの英雄と交わりながら、それぞれの正義と真実を探す。
本作のバトルシステムは、最大6人のキャラクターが戦場に出るターン制バトルだ。戦闘で経験を積んでいくと、英雄たちは特殊なAI能力を習得する。AIコマンドにはほかのAIコマンドと連携して効果を発揮するものもあるという。
また、75万ドル以上の支援で城塞都市を育てるカスタマイズモードも搭載される。初めは小さな都市だが、ほかのキャラクターを勧誘して都市で働かせることで、少しずつ大きな城塞都市へと発展していく。
グラフィックは「『Octopath Traveller』のような」とKickstarterページでも書かれているとおり、3Dと2Dピクセルアートが組み合わさった被写界深度浅めの「HD-2D」風のものになっている。
このグラフィックで、大森林や賑やかな街、牧歌的な村などオールラーン大陸のさまざまな場所を冒険し、戦乱に巻き込まれたり、隠された秘宝やそれを守る強大なモンスターと戦うことになる。
『百英雄伝』製作にあたり、村山氏が公式サイトに挨拶を掲載している。
我々の新たなチャレンジとして百英雄伝というタイトルを発表しました。
制作メンバーには一つの想いがありました。
それは、「そろそろ自分たちが望む本当に面白いものを作らないか?」という純粋な気持ちです。我々にとって一番の喜びは、ファンが面白かったと喜んでくれる事、その声を聞くことです。
そのためだけを目指したタイトルを作ろう。それが百英雄伝の出発点です。このタイトルを成功させるために、
多くのファン、力を与えてくれる世界中の英雄が現れてくれる事を願っています。
開発チームはこれまでに行われてきたほかのクラウドファンディングを研究し、問題点を洗い出している。発売予定日を何年も遅らせるような「計画性に欠けたストレッチゴール」、「手っ取り早く資金調達をするための独占リリース契約」、「プラットフォームが多すぎる」といった問題は絶対に避けるとしている。
なお、ストレッチゴールの移植先のプラットフォームは、Xbox One、Xbox Series X、PlayStation 4、PlayStation 5、そして任天堂の次世代コンソールとしている。これは、発売予定の2022年にプラットフォーム事情がどうなっているか分からないことが理由だ。
開発中にもし任天堂の次世代機が発表されればそのコンソールに、もしも発表されなければ別の解決法を模索するという。すくなくとも、必ず任天堂コンソールでもリリースする意向のようだ。
発表された直後に大きな話題となり、国内外で注目を集めた『百英雄伝』。その結果を反映してか、キャンペーン開始からほぼ1時間で30万ドルを集めている。ゲームの製作に協力したいという方は、Kickstarterから支援してほしい。
ライター/古嶋誉幸