アメリカ大統領選の民主党候補ジョー・バイデン氏の陣営が、任天堂の『あつまれ どうぶつの森』を使って、選挙キャンペーンを行っていることが判明した。海外メディアのThe Verge、日本メディアの共同通信などが報じている。
確認されたのは「BIDEN VICTORY FUND」というWebサイト。ここは大統領選挙の資金を集めるために、バイデン氏のグッズを販売したり寄付を募っているサイトだ。ここで、ジョー・バイデン氏と、副大統領候補のカマラ・ハリス氏を応援するための『あつまれ どうぶつの森』にマイデザインの看板が公開されている。
『あつまれ どうぶつの森』で、ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏を再現したと思われるキャラクターが、ジョー・バイデン氏のシンボルであるサングラスや、TEAM JOEなどの4種類のマイデザインを紹介しているスクリーンショットが掲載されている。
またそのキャプションで、「バイデン/ハリスのプライドを見せましょう!『どうぶつの森』をプレイする場合は、追加するグッズのQRコードをスキャンしてください。今後も島のオプションを拡大する予定ですので、ご期待ください」という説明文が記されている。
これらのマイデザインは、「BIDEN VICTORY FUND」で公開されているQRコードをNintendo Switch Onlineアプリの読み込むことによって、ゲームに追加可能だ。
ただし日本のSNSでは、このバイデン氏の陣営のキャンペーンは、『あつまれ どうぶつの森』の利用規約に反しているのではないかと指摘されている。ニンテンドーネットワーク利用規約の第6条12、15項目などの「政治的な主張を含むもの」に含まれるということだ。
一方で「政治的な主張を含むもの」という項目は、アメリカのニンテンドーネットワーク利用規約には存在していない。無許可ならば「未承諾または無許可の広告、勧誘、販促物」に抵触するおそれはあるが、すべてはアメリカ任天堂の判断次第といえそうだ。
ジョー・バイデン氏の陣営でキャンペーンを手掛けるクリスチャン・トム氏は、The Vergeのインタビューで「『どうぶつの森』は、世界中のコミュニティを結びつける、ダイナミックで多様性のある強力なプラットフォームです」と語り、『あつまれ どうぶつの森』に期待をを示した。
ビデオゲームがこうしたキャンペーンに活用されるのは異例のことで、『あつまれ どうぶつの森』の影響力を物語ることといえそうだ。
ライター/福山幸司