スクウェア・エニックスは「ライブ・ア・ライブ 26周年記念生放送」を開催した。番組には、時田貴司氏、下村陽子氏、井上信行氏、倉島一幸氏が登壇。開発の秘話を明かしつつ、番組後半では、昨年8月に行われた『LIVE A LIVE A LIVE 2019 新宿編 ~25th Anniversary~』の同時視聴が行われた。
『ライブ・ア・ライブ』は1994年に発売したスーパーファミコン向けのRPG。場所も時代もバラバラの世界がいくつも存在しており、プレイヤーは任意で選択できるオムニバス構成になっている。ゲームを始めると原始編、幕末編、西部編、クンフー編、現代編、近未来編、SF編とシナリオが選べるようになっており、どのような順番でプレイするかはプレイヤーの自由となっている。
キャラクターデザインには著名な漫画家が起用されていることが特徴で、原始編には『おぼっちゃまくん』の小林よしのり氏、幕末編を『YAIBA』、『名探偵コナン』の青山剛昌氏、西部編を『B・B』の石渡治氏、クンフー編を『拳児』の藤原芳秀氏、現代編を『スプリガン』の皆川亮二氏、近未来編を『炎の転校生』の島本和彦氏、SF編を『BASARA』の田村由美氏がそれぞれ手掛けている。
番組では本作のディレクターを務めた時田貴司氏から開発秘話が明かされ、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』があるなかで、オムニバスRPGでわざわざ中世編を作る意味があるのかと考えたのだという。最終的には、いろいろなシナリオを繋ぐ役目をもった物語が最後に出てくる構成がいいのではないかと、中世編を作った明らかにした。
またプログラム的にも、先に中世編を作るとバトルやイベントなど各パートのRPGのシステムが揃うので、そこから原始編や現代編などを構成していったと説明した。
またこういったオムニバスRPGをそもそも作ろうとしたきっかけは、当時スーパーファミンのROMの容量が増えてきたことが背景にあったと晶にした。いろいろなRPGを作るにしても、西部劇っぽい格好よさやSFのエッセンスなどいろいろな要素をいれやすくなった背景があり、だとしたらそれぞれを独立させるのではく、ひとつの作品にしてみてはどうかと考えたという。
それぞれのパートが最終的に繋がったら面白いのではないか、というアイディアが本作の始まりだったとも伝えている。
またコンポーザーの下村陽子氏からは、最初の作曲に苦労したことが明かされ、『ファイナルファンタジー』シリーズの植松伸夫氏から心配されたエピソードが披露された。
番組後半では、この昨年8月に行われたライブ『LIVE A LIVE A LIVE 2019 新宿編 ~25th Anniversary~』の同時視聴が行われ、下村陽子氏の名曲の数々がライブのバージョンをファンとともに楽しんだ。
番組終盤には海外からのユーザーから質問に答える形で、リマスターやリメイクの可能性を問われたところ、また今回の形のように引き続き、『ライブ・ア・ライブ』の世界を届けたいので、引き続き熱い応援をよろしくお願いしますと述べた。
番組では他にもさまざまな『ライブ・ア・ライブ』の開発秘話が披露されているので、見逃したファンの人はアーカイブを見てみてはいかがだろうか。
ライター/福山幸司