コナミデジタルエンタテインメントは、「『P.T』のデータはPlayStation 5に移行してプレイ可能かもしれない」との内容の記事を公開したEurogamerやGamesRader+などの海外メディアに対して、「『P.T.』はPlayStation Store上で利用できないため、PlayStation 5の後方互換機能を利用して再ダウンロードすることはできない」との声明を発表した。GamesRader+は本発表を続報として報じている。
『P.T.』は、コジマプロダクションが開発を手がけ、当時のコナミより2014年に配信されたPlayStation 4用ダウンロードソフトである。ループしながらも少しづつ変化する廊下を一人称視点で進んでいく本作は、当時15周年を迎えた『サイレントヒル』シリーズの新作に関するティザー広告として登場した。新作については小島秀夫氏と『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)や『パシフィック・リム』(2013)などの作品で知られる映画監督のギレルモ・デル・トロ氏、そして俳優のノーマン・リーダス氏が制作に携わることで話題を集めた。
しかし、2015年4月下旬にコナミからプロジェクトの中止が正式発表。直後に『P.T.』もPlayStation Storeから削除され、本作をダウンロード済みのユーザーも再ダウンロードができない状況となっている。
今回コナミが声明を公表するに至った発端は、10月10日にEurogamerが公開した記事だ。同記事はPlayStation 5の後方互換性に関するサポートページの内容をもとに、Wi-Fi経由でのデータ転送や外部USBストレージに保存したゲームへの直接アクセスが可能な仕様、そしてPlayStation 4のみでプレイできるタイトルに『P.T.』が含まれていないことの2点から、「『P.T.』はPlayStation 4からPlayStation 5へ移行できる可能性がある」との推論を示している。
GamesRader+はこのEurogamerの記事をかいつまんで引用したことから「『P.T』のデータはPlayStation 5に移行してプレイ可能」と捉えられかねない内容となってしまっており、今回コナミが声明を発表するに至ったようだ。
ただし、声明はあくまで「PlayStation Storeを経由する再ダウンロードができない」ことを示すもので、海外メディアが報じた「Wi-Fi経由で転送したデータや外部USBストレージに保存したデータから起動する」方法の可能性を完全に否定できていない。
実際に後者の方法でプレイが可能かについては不明だが、GamesRader+で声明を報じたHirun Cryer氏は『P.T.』を「過去10年間で最も影響力のあるホラーゲームのひとつ」と表現しており、今回の回答を「本当に残念です」と締めくくっている。
ライター/ヨシムネ