様々なビデオゲームのドキュメンタリーを制作するYouTubeチャンネル「No Clip」が、マイクロソフトのフライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator』のドキュメンタリーを公開した。海外メディアPCGamesNなどが報じている。
地球全体を再現するというフライトシミュレーションゲームでも類を見ない大規模プロジェクトとして始まった本作がどのように開発チームを形作り、航空写真から3Dマップを作った方法が紹介されている。
前半は技術的な内容だが、動画の最後の「Where People Fly」では、チュートリアルを終えたプレイヤーの実に70%が同じ場所に向かって飛行機を飛ばしたことが明かされた。
世界中には様々なランドマークがある。飛行機が飛ばせるようになれば、エジプトのピラミッドを見に行くこともできるし、飛行機や船が消えるという伝説のある魔の海域バミューダトライアングルを安全に観光することもできる。富士山を見に行っても良いし、エベレストの山頂にだって行けるだろう。
そんな無数の選択肢の中から選ばれた世界でもっとも人気の場所は、プレイヤーの自宅だったという。
動画に登場するマイクロソフトのヨルグ・ノイマン氏はドイツの生まれだが、現在は故郷を出ている。氏は一度帰郷する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で帰られなくなってしまった。
そんなとき、完成した『Microsoft Flight Simulator』のデジタル地球を使って故郷に帰ることにしたという。電話で両親と話し、天気に事について話した。ゲームは現実の現地の天候を再現しているので、両親と同じ空を見ることができたという。
この種の話はメールやSNS上で数多くシェアされており、ノイマン氏も「この困難なときに少しでも力になれれば良い」と語っている。
『Microsoft Flight Simulator』で多くの人々が最初に自宅に向かったというのはとても理解できる。最も見慣れた風景をゲームでも見たいと思うだろう。困難な時期に生まれたゲームの中には、このように人々の心を癒やすものも多くあるのだろう。