ケンタッキーフライドチキンの公式Twitterアカウントのひとつである「KFC Gaming」は、次世代ゲーム機「KFConsole」を正式に発表した。
「KFConsole」は、同アカウントが先日から発表を予告していた次世代ゲーム機で、“11GHzのCPU搭載”といった冗談めいたスペックと度重なる延期の報告から「ジョークでは?」と疑うユーザーも少なくなかった。価格や発売日は不明ながら、今回の発表によれば本当に発売することとなったようだ。
See it for yourself. Find out more about the new #KFConsole @CoolerMaster: https://t.co/omZWuIhBG8 pic.twitter.com/6n5panSJIs
— KFC Gaming (@kfcgaming) December 22, 2020
「KFConsole」は一言で表現するとミニPCだ。本機はケンタッキーフライドチキンと台湾のPCパーツメーカー「Cooler Master」がコラボレーションして制作しており、PlayStation 5やXbox Series Xのように専用のゲームが遊べるゲーム機というわけではないが、PCゲームがしっかりと遊べる性能と、“チキンを暖めるチャンバー”が先日の予告どおり搭載されている。
Tom’s Hardwareによると、ハードウェアはプロの改造PC制作者であるTimpelayことティム・マルムボリ氏が率いるチームがデザインしたという。マルムボリ氏は、NVIDIAの公式Twitterアカウントで作品が紹介されたり、『サイバーパンク2077』のPCケースデザインコンテストで審査員をつとめるなど、業界でも評価の高い人物だ。
「KFConsole」のチキンチャンバーは電熱器などを利用するのではなく、PCから発生する熱を利用するのだという。たしかにPCはパーツによって時に目玉焼きが作れるような熱を持つこともある。透視図を見た限り、本体下部にPCパーツを配置し、廃熱を上部にあるチャンバー(トレー)に送り込む設計のようだ。
特注の冷却システムによりPCハードウェア内部の温度を下げ、同時にチキンを熱々の状態に保つことができると、チキン暖め機能と冷却機構に自信を見せている。
ハードウェアは「Intel NUC 9 Extreme Kit」をベースにしたCooler Master NC100シャーシを採用。小型PCのためのキットだが、グラフィックカードも搭載できる拡張性を備えている。ストレージには「Seagate BarraCuda 1TBSSD」と詳細不明の「FireCuda M.2 SSD」、グラフィックカードはASUSのGeForce RTX系カードを搭載するという。
「これからの世代のためにもっとも強力なコンソールであり続ける」と説明されており、どうやらグラフィックカードなどパーツの載せ替えにも対応しているようだ。
細かな点は未発表のため不明だが、『サイバーパンク2077』の推奨環境を満たすレベルのスペックになることが予想できる。
本当に開発していたことがまず驚きではあるが、さらに驚きなのは当初の予定どおり「VR対応かつ4Kと240fpsにも対応」が本当に可能に見えるスペックである点だ。ビデオカードや搭載メモリ次第であるが、数年前に組んだ一般的なゲーミングPCよりも高性能になっているのは間違いないだろう。「やーいお前のPCチキン温め器以下!」とヤジが飛んでくる前に、アップグレードを検討したくなってくる。
ティム・マルムボリ氏はTom’s Hardwareに対し、「KFConsole」が発表当時からCooler Masterと提携し、水面下で開発が進められていたと語っている。システムの詳細は来月発表される予定ということなので、KFConsoleについて知りたいという方はもう少し待って欲しい。
ライター/古嶋 誉幸