ゲーミング製品を開発するRazerは、電子製品の見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)にて未来的なゲーミングチェアのコンセプトモデル「Project Brooklyn」を発表した。
コンセプトモデルのため実際に発売されるかは不明だが、Razerがゲーミングチェアの未来に何を見ているかを垣間見ることができるだろう。
「Project Brooklyn」は、ゲーミングチェアにパソコンデスクの機能まで組み込んだコンセプトモデルだ。カーボンファイバーバケットシートと高密度フォームクッションを採用し、長時間ゲームを遊んでも完璧な姿勢が保てるという。
大きな特徴は、チェア背面から伸びる60インチの有機ELロールディスプレイ。普段は格納されており、ボタンひとつでプレイヤーの視界全周を覆う。大型かつ曲面のディスプレイは、プレイヤーに見事なビジュアルと鮮明なディテールで真のパノラマ体験を提供するとしている。
ロールディスプレイとは、その名のとおり巻き取り可能なモニタだ。韓国LGエレクトロニクスなどがすでに実用化しており「LG SIGNATURE OLED TV R」の名前で販売している。
チェアの肘掛けには折りたたみ可能なテーブルが格納されている。PCゲームをするときはテーブルにキーボードやマウスを置き、コンソールゲームの場合はテーブルをしまってコントローラーを握るといった使い分けが想定されている。
マウスやキーボードを普段どこに置いておくかが問題になりそうだが、便利に見える。
RAZER HYPERSENSE TECHNOLOGYにも対応。ゲームに合わせてチェアが振動して没入感を高める。RAZER HYPERSENSEはすでに存在する技術だ。音声信号をダイナミックな触覚フィードバックにリアルタイムで変換するため、ゲーム側の設定は不要だ。ゲーミングヘッドフォン「RAZER NARI ULTIMATE」で同技術が体験できる。
そしてもちろん1677万色に光る。光るゲーミングチェアも珍しくなくなってきたが、ここまでゲーミング仕様になったチェアはもはや光ることが当然なのだろう。RAZER CHROMA RGBに対応しているので、パソコンのハードウェアからどう光るかを制御できる。
以前サソリのような可変型ゲーミングチェア「Cluvens Scorpion Computer Cockpit」が話題となったが、ほぼ一般的なゲーミングチェアのProject Brooklynは日本の家庭環境にも適していそうだ。
コンセプトモデルではあるが、Razerはひとつのゲーミングチェアにすべてのゲーミング機能を集約する未来を見ている。コンセプトモデルから一般向けの製品が出てくることを願うばかりだ。
ライター/古嶋誉幸