「Bokeh Game Studio」は、代表取締役でありクリエイティブディレクターでもある外山圭一郎氏の映像「Focus – Keiichirou Toayama」を公開した。映像の中で外山氏は、第一弾タイトルとして進めているダークホラー作品についても言及している。
外山氏はゲームディレクターとして業界で活躍してきた人物で、1999年にコナミで『サイレントヒル』、2003年にSCE(現SIE)で『SIREN』、また2013年には『GRAVITY DAZE』を生み出したことでも知られる。
映像で外山氏は、まず自身がゲーム業界へと踏み入ることになった馴れ初めを語っている。美術大学に入学したころ、3Dゲームが広がりつつあった日本のゲーム業界は、若い人をどんどん増やしていく時期だったという。そこで自分が作り手に回っていいのだと気づき、ゲーム作りへの道を歩み始めたと氏は語っている。
その後、前述のようにさまざまなタイトルを残した外山氏は、2020年8月に自身のスタジオBokeh Game Studioを設立した。このスタジオ設立に関して氏は、「万人が楽しむというよりは心に楔を残すようなタイトル」や「10年、20年経ってもファンの心に残るようなIP」を生み出すため、良いバランスでやっていける自分のためのスタジオが必要だったと語っている。
気になるスタジオの第一弾タイトルについて外山氏は、自身のルーツでもあるダークやホラージャンルのアイディアが溜まってきたとコメント。ゴリゴリのホラー作品というよりはエンターテイメント作品を目指しており、ホラーのテイストを持ちつつも爽快感なども盛り込むような作品になるという。
なお映像中では数点の興味深いアートワークが披露されている。ただし、これらが単純にアイディアとして描きためているものなのか、最新作のコンセプトアートであるかどうかは明言されていない。
映像で外山氏はこのほかにも、「怖いものが出てくるホラー」よりも、「自身の立ち位置や日常が揺らぐような想像をさせる作品の切り口」が好きであり、今回も新作のテーマにしたいと思っていると伝えている。
また、最近は「デスゲーム」ジャンルのコミックを読んでおり、不条理な状況に追い込まれた中での心のせめぎ合いに影響された作品になるとも語った。舞台のインスピレーションに関してもさまざまな考えを巡らせているという。
現時点で詳細は一切不明となっているBokeh Game Studioの新作ホラーゲームだが、今回の映像を見る限りでは外山氏の作風を全開にした作品を目指しているようだ。はたしてどのようなゲームが誕生するのか、今後の続報に期待したい。
文/ishigenn