傑作一人称視点パズル『Portal 2』が4月19日(月)に10周年を迎えたことを記念し、ファンが集まった開発チームPORTANISがMOD「Portal Reloaded」をリリースした。本体であるPC版『Portal 2』を持っていれば誰でも無料でできる。
対応言語は英語のみだが、公式YouTubeアカウントでゲームのキーとなる要素が説明されているため、そちらを事前に見ておけばストーリーの読解以外は問題ないはずだ。
『Portal 2』は、謎の企業アパチャーサイエンスの研究ラボで、ふたつの空間をつなぐポータルガンの実験に参加する一人称視点パズルだ。前作『Portal』同様、空間をつなぐポータルを主軸にさまざまなパズルに挑む。本作では2人協力プレイにも対応した。
『Portal Reloaded』でプレイヤーは、正体不明のラボでポータルを使った25の実験に参加することになる。無機質な女声のAI「GLaDOS」に代わり、謎の男声型AIがゲームをナビする。青とオレンジのふたつのポータルに加え、時間を超越する3つめのポータルが加わったことが大きな特徴。時間を越えた先では、研究ラボは荒廃しきっている。まるで『Portal』と『Portal 2』の世界を行き来しているようだ。10周年記念にふさわしい設定だといえるだろう。
時間のポータルが加わったことで、プレイヤーは現在と未来の世界についても考えなければならなくなった。そのため、難度はかなり上昇している。ストアページでも「ベテラン」を対象にしていると注意書きがある。新たに加わったルールは以下の通り。
通常ポータルは「現在」と「未来」それぞれの時間軸でふたつずつ設置可能。「現在」で開いたポータルは「未来」の同じ場所にも開き、ポータルを別の場所に移動させると「未来」の該当する色のポータルもその場所へ移動する。一方「未来」では自由にポータルが開けるが、そのポータルの位置は「現在」に影響を与えない。時間のポータルがひらけるのは、「現在」と「未来」が同じ状態になっているステージのみだ。
ボタンを操作したり足場に使ったりするキューブは、「現在」に出現したものは「未来」でも出現する。「現在」のキューブは時間のポータルを通って「未来」に運ぶことはできない。しかし、「未来」のキューブを「現在」に持ち込むことはできる。なお、「現在」のキューブを動かすと「未来」のキューブは消滅し、「未来」の同じ場所に出現する。
ルールは少し複雑だが、「現在」の出来事は「未来」に影響を与えるが、「未来」の出来事は「現在」には影響を与えないという考え方で共通している。実質、3つのポータルを使いふたつのマップで同時にパズルを解くような状態となっているのでかなり頭を使う。
「Portal Reloaded」では序盤はポータルガンもなく、ポータルガンを手に入れたあともいくつかのパズルでは時間のポータルは任意に開けない。このあたりの謎解きはそれなりの難しさといったところだが、時間のポータルが自由に開けるようになってからは難度が急上昇。筆者は自由にすべてのポータルが開けるようになったすぐあと、最初のパズルで詰まっている。開発チームがゲームを最初から最後まで解く動画を用意しているので、どうしてもクリアできない場合は確認してほしい。
ベテラン向けの高難度パズルが楽しめる「Portal Reloaded」は、『Portal 2』のMODとしてSteamにて無料配信中。我こそはと思うパズルファンは、この時間を越えたパズルに挑戦してみてほしい。
ライター/古嶋誉幸