ソニーグループは、5月26日(水)に開催した「2021年度 経営方針説明会」にて、AIの強化学習を活用し、プレイヤーの対戦相手またはパートナーとなる「ゲームAIエージェント」の開発を進めていることを公表した。
新会社「Sony AI」と、PlayStationを擁する「ソニー・インタラクティブエンタテインメント」の協業となる。
Sony AIは、AIの研究開発を加速し、ソニーグループの擁するロボティクス技術や、映画・音楽・ゲームなどのエンタテインメントの資産を掛け合わせ、事業の変革と創出に貢献することを目標としている会社。2019年11月に設立を発表した。
このSony AIとソニー・インタラクティブエンタテインメントが、プレイヤーの対戦相手またはパートナーとなる「ゲームAIエージェント」の開発を進めているという。詳細は語られなかったが、今年4月に各メディアに報じられたAIに関する特許が関係があるのかもしれない。
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この特許は、プレイヤーが苦手とする作業や、対戦相手との戦いを肩代わりしてくれるプレイヤーの分身となるAIだ。そのAIは普段のゲームプレイを通して、プレイヤーのゲームスキルを学習。AIキャラクターとなって、プレイヤーが思考し操作しているかのように自律して動く。
そのためマルチの対戦ゲームでAIキャラクターの戦いを肩代わりしてもらい、プレイヤー自身は仕事に行ったり食事をすることができる。ゲームを止めずにゲームから離れることができるわけだ。もちろんそうした作られたAIキャラクターをシェアできることも原理的には可能だろう。
今回の説明のように、プレイヤーのパートナーとなるAIができると、友達がいなくても協力型ゲームや対戦ゲームを楽しめる時代がやってくるかもしれない。
そうしたAI技術がどのようなゲームの新しい遊びを作り出すのかはまだまだ未知数だが、ソニーがますますAIに力を入れていることは明らかなようだ。AIはこれからのゲームをどんどん変えていき、その流れを加速させていくだろう。ますます注目の分野といえそうだ。