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2020年度人工知能学会論文賞をスクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏が受賞。「ゲームAIに関する記念碑的論文」と学会から評価

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 スクウェア・エニックスは、同社に所属する三宅陽一郎氏による発表論文『大規模 デジタルゲームにおける人工知能の一般的体系と実装 -FINAL FANTASY XVの実例を基に-』が、一般社団法人 人工知能学会の「2020年度人工知能学会論文賞」を受賞したと伝えた。

 論文は、学術ジャーナルを発信するオンラインプラットフォームJ-STAGEにて公開されている。

 三宅陽一郎氏は、スクウェア・エニックスのテクノロジー推進部リードAIリサーチャー。京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学工学系研究科博士課程を経て、2004年より人工知能の開発・研究の道に。

 2011年にスクウェア・エニックス入社。『ファイナルファンタジー15』にてリードAIアーキテクトとして開発に携わる。著書に『人工知能のための哲学塾』、『人工知能の作り方』、『ゲームAI技術入門』など多数を執筆しており、日本のゲームAIの第一人者として知られている。

 今回の論文『大規模 デジタルゲームにおける人工知能の一般的体系と実装 -FINAL FANTASY XVの実例を基に-』は、AI技術がゲーム開発にどのように活用されているかということを、網羅的かつ体系的に解説したもの。

 「ゲームに馴染みがない分野の読者にも分かりやすいように概念がまとめられている」、「社会実装の実例として興味深い研究が行われている」、「本論文により接点を与えられた読者がゲーム開発に貢献する可能性が高い」といった点が評価され、「ゲームAIに関する記念碑的論文になり得る内容」として受賞にいたった。

 スクウェア・エニックスは、今回の受賞が同社のAI研究開発の大きな成果のひとつであると考えており、今後も同社のコンテンツへの応用や社会実装に向けた研究開発を進めていくとした。

 論文はインターネットでも公開されているので、気になった人は呼んでみてはいかがだろうか。

■三宅陽一郎氏の受賞コメント
「デジタルゲームにおけるAI技術」は、ゲーム産業における開発と、大学における研究を中心に、この20年で急速に発展した分野です。この新しい分野において、当社が積み上げてきたAI技術の研究成果を、人工知能学会様より高くご評価いただき、深く感謝しております。
今後も、日本の産学における本分野の発展および連携の推進のために、より一層尽力してまいります。

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ライター
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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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