『はじめてゲームプログラミング』でデザインされた名作ゲームの再現版が続々登場。「マリオ」や「ポケモン」のほか「GTA」なども、「スマブラ」シリーズの生みの親の桜井政博氏も試作のデモ映像を発表

 任天堂の新作Nintendo Switch向けソフト『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』(以下、『はじめてゲームプログラミング』) が大きな話題を集めている。多彩な機能を持つ「ノードン」を直感的に線でつなぎ、思い思いにデザインしたオリジナルゲームをプラットフォーム上でシェアできる本ソフトは、6月11日(金)の発売以来、数々のクリエイターを国内外で生み出している。

(画像はYouTubeより)

 またその中には、往年の名作からインディータイトルに至るまでさまざまな有名ゲームの再現を試みる者も現れている。今回は筆者が見つけた6つの再現作品をピックアップして紹介したい。なおゲームIDもあわせて記載しているので、ソフトをお持ちの方は気になった作品をプレイしていただけると幸いだ(本稿執筆時点でのIDにつき、変更となっている場合あり)。

 ①『Super Mario Bros 1-1』(『スーパーマリオブラザーズ』)
   ID:G 006 38T GY2

 1985年に発売され、その後のゲームシーンの礎を築いた「初代マリオ」。誰もが一度は目にしたであろうおなじみのステージ「1-1」が、オリジナル版と変わらない精緻なグラフィックで再現されている。作者のNate氏によると、最大512を上限とするノードン数の制約の中で、クリボーやノコノコといったエネミーの挙動をプログラムするのに苦労したとのこと。マリオに追随するカメラワークにくわえ、土管から地下に潜る際のマップの切り替えまでもが見事に作り込まれている。

 ②『Pokémon Pallet Town』(『ポケットモンスター』)
   ID:G 003 7BJ G3B

 同じく任天堂を代表する「ポケモン」シリーズで、もっとも有名な街といえばこの「マサラタウン」だろう。原作と見まがうクオリティで描かれたマップタイルのドットは、驚くことに全て手打ちによる入力。やはりノードン数の上限が課題だったと話す作者のMario171氏は、無数に絡まるスパゲティ状のノードンを動画内で披露している。また氏は、「NPCやダイアログボックスを割愛し完全な再現とまでは至ってないものの、自在に歩き回れるマップの仕上がりは満足のいく出来になった」とも述べている。

 ③『Pac-Man Builder Garage』(『パックマン』)
   ID:G 006 F1V 24M

 一見して高い完成度が伺える本作は、カリフォルニア在住のShadow Mewtwo氏の手によるもの。発光するグローエフェクトやドットを食べる爽快な効果音心地よい操作感を生んでいる。氏は「今後マルチプレイにも対応させたい」とさらなる意欲を示しており、Twitter上には期待の声や「この作品を見てソフトの購入を決めました!」というコメントも寄せられている。

 ④『Shmortal』(『Portal』)
   ID:G 002 457 18Y

 洗練されたゲームデザインで根強い人気を持つ、Valve社の代表作も本ソフトでは再現できる。物理法則を無視して異なる空間をつなぐ青とオレンジの「ポータルガン」は、触れると互いの間をワープする2色の球体を射出して代用。シンプルな作りのステージにも見えるが、スライドして開くドアのギミックなど細かい点で工夫が凝らされており、作者であるDargaran氏の原作に対するリスペクトが感じられる一作だ。

 ⑤『GTA Garage Edition』(『グランド・セフト・オート』)
   ID:G 006 1B4 9V0

 本ソフトでは2Dの横スクロールから一人称視点の3Dゲームまで、きわめて自由度の高いデザインが行えるのが見て取れたかと思う。自由度という点では車の運転から犯罪まで何でもありの『グランド・セフト・オート』シリーズを抜きに語ることができない。作者のShuggyTheBuggy氏が公開しているデモ映像には、四輪バギーを乗り回し街を駆ける姿や、スーパーらしき店舗を襲撃したりビルの屋上からNPCを突き落とすといったカオスな光景が収められている。

 ⑥『ノードンオワタの大冒険』(『人生オワタの大冒険』)
   ID:G 005 VBY DY8

 おそらくネット史上もっとも数多くプレイされた作品のひとつであろうFlashゲーム『人生オワタの大冒険』。予測できないトラップの数々を「死にながら覚えて攻略する」というゲームデザインは、『I Wanna Be The Guy』をはじめ『Celeste』『Super Meat Boy』といった人気タイトルの開発にも大きな影響を与えた。『Undertale』のクリエイター、トビー・フォックス氏も長年のファンを公言する本作の再現を手がけたのは、なんと原作者のキング氏本人。オリジナル版の冒頭を模したデモ映像に懐かしさを覚える方も少なくないだろう。

 番外編:『桜井政博氏の試作』(ID非公開)

 本メディアでも折に触れインタビューを行っている、『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの生みの親、桜井氏もノードンを使ったプログラミングに「参戦」。シューティングゲームをベースとした試作のプレイ映像をTwitterに投稿した。

 射撃と加速の機能を同じボタンに持たせることで、攻撃がそのまま自滅のリスクに転じるという、ユニークかつゲーム性の高いデザインは氏ならではの発想だ。また、ボスの体力が半分を切ると円盤を投げてくるようになったりBGMのテンポがアップするなど、UIの表示に頼らない自然なシステム設計になっている。この試作はプライバシーの観点により残念ながら非公開となっているが、本ソフトでのゲーム開発に挑むクリエイターにとっても、こうしたアイデアは大きな参考となるに違いない。

 以上、バラエティあふれる7作品を厳選して紹介した。本稿の執筆中にも新たな再現ゲームが続々と制作されており、掲載を見送った作品も多数存在する。国内作では『マリオカート』『メイドインワリオ』『スターフォックス』などの任天堂関連シリーズを筆頭に、『ロックマン』『ボンバーマン』『バイオハザード』などのリメイクも見受けられた。また海外作ではお約束の『DOOM』をはじめ、『SUPERHOT』『The Witness』『クッキークリッカー』といった数々の名作アレンジが登場しているので、機会があれば探してみてほしい。

 なお、繊細なドット表現が特徴のアドベンチャーゲーム『Strange Telephone』の作者であるyuta氏も、本ソフトでのプログラミングによる自作リメイクの舞台裏を解説している。こちらも非常に高い再現度となっており、ゲーム開発の奥深さが伺える動画なので、興味のある方は視聴されたい。

 『はじめてゲームプログラミング』の販売価格はパッケージ版が3480円、ダウンロード版が2980円(各税込)となっている。

ライター/dashimaru

ライター
フリーランスの翻訳者を経て、2021年より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らす。
Twitter:@dashimaruJP
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