日本発の大型RTAイベント「RTA in Japan Summer 2021」にて、伝説的なゲーム『デスクリムゾン』のRTAが披露された。走者はレトロアクションゲームを主にプレイするスピードランナーのゆゆキチ氏。実況はかぽてじ氏が担当した。
結論から書くと、本番の緊張感をものともしないゆゆキチ氏の走りにより、34分00秒で世界記録を更新。理不尽な難度を誇る本作で、RTAのためにさらに難しくした状態でクリアし、大舞台で世界記録を更新するという偉業を達成した。
『デスクリムゾン』は1996年に発売されたセガサターン用のガンシューティングゲーム。セガサターン向け光線銃である「バーチャガン」が利用できるほか、コントローラーでも遊べる。
いわゆる「クソゲー」の伝説的作品として知られており、ゲームを開発したエコールの公式サイトでも「ゲーム界の黒歴史に燦然と輝く、究極のカルトゲーム。エコールの代表作。暗黒ゲームの帝王」と代表作のひとつとしてあげられている。
特にオープニングの「上から来るぞ!気をつけろ!」や赤くない扉に対して「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」などは有名で、RTA in Japanの本イベントでもRTAを始める前に披露された。
RTAでは光線銃は使わず、パッドでプレイし無敵状態などのコマンドを使わないレギュレーションで挑戦。ただでさえパッドで遊ぶと難しすぎるというが、そのうえ「ゲーム速度を30%アップさせる」というバグを利用してさらなるタイム短縮を目指す。敵の攻撃までの時間やカーソルの移動も30%アップするため、普通に遊んでも難しいゲームの難度は跳ね上がる。
ちなみに、このバグ技はスタートボタンを押して解除すると発動するという。また、スピードアップの数値はランダムのため、照準の回転速度で判別しているという。
『デスクリムゾン』のRTAはTwitterでも話題となった。総合トレンド2位、「残機10」「走者1人」「ゆゆキチ」などがトレンド入りを果たしたという。本作の作曲家である渡辺邦孝氏もRTAに反応しており、関係者も楽しんでいたようだ。
くわえて、ゆゆキチ氏の個性的すぎるウェブサイトも話題となった。今回のRTAの裏話も語られているので、興味があれば読んでみてほしい。なお、音楽が流れるので音量に注意だ。
https://twitter.com/falia1107/status/1426048097935716354?s=20
なお、『デスクリムゾン』のRTA走者は現在ゆゆキチ氏ひとりだという。今から参加すれば最低でも世界2位が狙える計算だ。セガサターンとゲームをお持ちの方は、せっかくだから参加してみてはいかがだろうか。