アクションホラーゲーム『SIREN(サイレン)』や『サイレントヒル』に携わった外山圭一郎氏が代表取締役を務めるBokeh Game Studio(ボーカゲームスタジオ)は10月12日(火)、同社でコンセプトアーティストを務める髙橋美貴氏へのインタビュー映像を公開した。本映像では、同社が開発する新作ホラーゲームの敵キャラクターに関する情報も語られている。
髙橋氏は、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科を卒業後、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現在のソニー・インタラクティブエンタテインメント)へ入社。『SIREN』シリーズに登場する敵キャラクター「屍人(しびと)」や「闇人(やみびと)」のデザインに携わった実績を持つ。今回公開された髙橋氏へのインタビュー映像では、ゲーム業界へ入ったきっかけが最初に語られている。
「(ただゲームが好きなだけで)ゲーム業界へ入ろうとは思っていなかった」と子ども時代を振り返った高橋氏は、武蔵野美術大学へ進学後に映像やCG技術への関心を深め、業界でCG技術が通用することを知ってゲーム業界へ進んだという。
続いて、代表作となる『SIREN(サイレン)』シリーズとの出会いについては、初代『SIREN』(2003)のプロジェクトへ途中から加わり、空きがある「屍人」のデザインを担当したエピソードを語った。続く『SIREN2』(2006)では、プロジェクトの初期段階から服装を含めた「闇人」のデザインや設定を担当。2008年に発売された『SIREN:New Translation』でも同様に「屍人」のデザイン・設定を手がけている。
髙橋氏の描く絵は子ども時代から暗い印象を持っていたようだが、自身にとって「一番好きなスタイルで、落ち着くスタイルだったので『SIREN』に参加できたのは自分にとってラッキー。自分の特性・作品にピタッとはまったような感じがしている」と振り返った。
また、映像では驚かせる意図ではなく面白さや美しさ、哀しさを込めたデザインへの思いに加えて、Bokeh Game Studioが制作している第一弾タイトルの敵キャラクターに関する背景とデザインの意図が語られている。
髙橋氏によると、敵キャラクターは哀れみや滑稽さを感じさせるものとして「もともと人間であった」部分を残しつつも、さまざまな生物の「人間にはない強烈な生命力」が広い範囲でデザインへ落とし込まれるようだ。
映像の最後では、本来人間が避けて通りたいと思うはずのものをわざわざ体験する“娯楽としてのホラー”について、人間らしさへ起因する複雑な面白さ・楽しさへチャレンジしたいとする髙橋氏の思いも語られた。
Bokeh Game Studioではこれまでにも、クリエイティブディレクターの外山氏とプロデューサーの佐藤一信氏へのインタビュー映像を公開している。興味があれば該当の記事とあわせてチェックしてみてほしい。
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