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ゲーム翻訳者・武藤陽生氏がYouTubeチャンネルを開設。翻訳講座のほか日本語版の監修を務める『ディスコ・エリジウム』の実況解説などを発信予定

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 『Va-11 Hall-A』『Broforce』など100本以上のタイトルの英日翻訳を手がける武藤陽生氏は1月1日(土)、YouTubeチャンネル「ゲーム翻訳おじさんムトウによる翻訳ゲーム実況」を開設した。同チャンネルでは過去に携わってきた作品の翻訳にまつわる裏話や、多数のローカライズ実績を持つ氏ならではの視点による実況プレイ動画などが披露されるという。

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(画像はSteam『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』より)
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『Broforce』
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『Gone Home』

 武藤氏は数々のAAAタイトルをはじめ、『Gone Home』『The Vanishing of Ethan Carter』の有志翻訳(前者はのちに公式翻訳として実装)を担当したことでも知られる人物。ゲーム翻訳では監修的立場も務めるほか、ミステリー小説やノンフィクション作品の文芸翻訳、講師として翻訳者の育成にあたるなど活動は多岐にわたる。

 日ごろTwitterでもゲーム翻訳のノウハウや舞台裏を積極的に伝えている同氏だが、より本格的なコンテンツを広く届けたいという想いからYouTubeへと発信の場を求めたようだ。執筆時点では「ゲーム翻訳とは何か」を2分で説明するショートムービー未翻訳作品『The Cat Lady』の実況解説プレイを含む6本の動画が公開されている。

 同チャンネルでは今後、住人の消えた家を探索しながら主人公家族の間に起きた出来事を調べていくアドベンチャーゲーム『Gone Home』の翻訳当時のエピソードを、共訳者の伊東龍氏と振り返る対談動画がアップされる予定だ。

 また、受講生を募り未翻訳ゲームの添削プロセスを公開する翻訳講座のほか、非常に難解かつ膨大なテキスト量を特徴とし、2022年春には待望の日本語版がPS5、PS4、Nintendo Switchでリリースされる『ディスコ・エリジウム – ザ・ファイナルカット』実況解説(武藤氏は本作で翻訳の監修を担当)などの投稿が予告されている。

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(画像はYouTube『ディスコ・エリジウム – ザ・ファイナルカット 発表トレーラー』より)

 ゲーム翻訳においてはNDA(秘密保持契約)の観点から、手がけたタイトルを公的な場で言及できないケースも多い。だがそうした中でも武藤氏は有志で携わってきた開発者らとの縁を活かし、実際に携わった事例も用いながら動画の制作を進めているようだ。

 氏が『Va-11 Hall-A』でみせた個性豊かなキャラクターの描き分けや、『Broforce』でのユーモアに富んだ翻訳センスに心動かされたという経験を持つ方も少なくないだろう。日本国内では役のゲーム翻訳者がYouTubeチャンネルを持つこと自体きわめて珍しく、作品数の増加にともない担い手の不足が懸念される業界の裾野の広がりが期待できるという意味でも注目していきたい。

ライター
フリーランスの翻訳者を経て、2021年より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らす。
Twitter:@dashimaruJP

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