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『風ノ旅ビト』が発売から10周年、記念トレーラーを公開。開発したthatgamecompanyがゲームのコンセプトや苦労を語る

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[3/11 15:26アップデート]脱字によって逆の意味となっていた一部の表現を修正しました。お詫びして訂正いたします。

 Annapurna Interactiveは、thatgamecompanyが開発したアクション・アドベンチャー『風ノ旅ビト』の発売10周年を祝う記念トレーラーを公開した。

 『風ノ旅ビト』は、2012年3月にPS3向けに発売されたアクション・アドベンチャー。その後、PS4、PC(Steam、Epic Games Store)、App Store向けにも移植されている。『flOw』、『Flowery』のthatgamecompanyが開発している。

 舞台は砂に沈む古代の文明。プレイヤーは遠くに光を放つ山頂を目指し、どこまでも広がる砂漠の中を歩き、滑り、飛んで、進んでいく。

 自分は何者なのか、ここはどこなのか、山にはなにがあるのか。ゲームは非言語的な表現が重視されており、文字での情報を読み取ることができない。道中では他のプレイヤーと自動的にマッチングして、音や光でコミュニケーションを取りながら、ともに山頂を目指していく。

『風ノ旅ビト』が発売から10周年。記念トレーラー公開_001
(画像はSteam「Journey」より)
『風ノ旅ビト』が発売から10周年。記念トレーラー公開_002
(画像はSteam「Journey」より)

 ゲームは砂粒が煌めく美しい砂漠の表現や、オースティン・ウィントリー氏による壮大な音楽によって、ゲーム・オブ・ザ・イヤーを多数、獲得するなど高い評価を得ている。

 今回、この『風ノ旅ビト』の発売10周年にあわせて、開発者でthatgamecompanyのCEOであるジェノヴァ・チェン氏のインタビューが、ゲーム業界向けメディアgamesIndustry.bizにて掲載されている。

 ジェノヴァ・チェン氏によると、本作の特徴である協力プレイについて、優しい環境を作るためにさまざまな施策を講じたという。たとえばゲームキャラクターの性別や年齢をわからないようにし、さらに「腕」を表現しないことによって、押し合ったり殴り合ったりしないようにした。

 また開発当初は3人から4人の協力プレイを想定していたが、「私たち人間は、思いやりを持てる環境にいるときだけ、優しくなれる」として、プレイヤーがか弱い存在として信じ込ませるために、最大ふたりの協力プレイに絞ったという。

 なお次作の『Sky 星を紡ぐ子どもたち』では、この課題をさらに拡張するためふたり人以上のプレイヤーでも心の絆を作れるのかに挑戦したとのこと。

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(画像はSteam「Journey」より)
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(画像はSteam「Journey」より)

 さらに『風ノ旅ビト』の開発によって会社の財政が枯渇して、thatgamecompanyに窮地に陥っていたことなどの苦労話も明かされている。

 給料が払えずに人材が流出していた状況だったが、発売後の3か月後に資金を調達し、さらに発売後の6か月後にはソニーから売り上げの収益が入ってきたため、危機は回避されたとのこと。ただしこの教訓から、『Sky 星を紡ぐ子どもたち』ではマルチプラットフォームにしたという。

 ほかにもインタビューでは、ジェノヴァ・チェン氏がゲームの感動的な反響なども語っているので、詳細は記事を確認してみて欲しい。

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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