株式会社crimは『El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON』(以下、エルシャダイ)をAmazonの運営するクラウドゲームサービス「Amazon Luna」(以下、Luna)向けに配信開始した。こちらは記事執筆時点では「Luna」がアメリカ向けのサービスとなっていることから、日本国内向けには配信されていない。
【悲報】日本人は出来ません。 https://t.co/08vmxFnSN4
— 竹安佐和記(Elshaddaiの人) (@Sawaki_Takeyasu) August 2, 2022
『エルシャダイ』は2011年にPS3、Xbox 360向けに発売されたアクションゲーム。ステージごとに様相を変える独特のビジュアルや、ボタンの入力方法で動作が変化する奥深い操作系統が特徴の作品だ。
そして同時に、ゲーム中の一部のセリフがインターネットミームとして広く拡散された作品でもある。特に「ルシフェル」と「イーノック」の間で交わされる「そんな装備で大丈夫か?」、「大丈夫だ、問題ない」のやり取りは非常に有名であり、2010年度の「ネット流行語大賞2010」では年間大賞を受賞するなど高い知名度を誇る。
本作のディレクターを務めた竹安佐和記氏は、オリジナル版の販売元であるイグニッションから個人としてIP権利を取得。そして同氏の個人会社crimから、PC(Steam)向けに完全移植版が発売されたのが2021年9月のことだ。10年越しの『エルシャダイ』復活はインターネット上で大きな話題となり、Steamの売上ランキングの上位にも君臨した。
また、crimの公式サイトでは『エルシャダイ』に関する動画や画像のフリー素材も配布中だ。こちらは商用利用も可能となっており、エンジニア向けの転職サービス「Findy」やゲームオンが運営するオンラインRPG『アーキエイジ』のプロモーションなどに登場。なんと2021年9月には神奈川県警察本部が交通安全運動の呼びかけに本素材を採用していた。
今回配信がスタートしたのはAmazonの運営するクラウドゲームサービス「Luna」に向けたもの。しかし、記事執筆時点では「Luna」自体がアメリカのみに向けたサービスにとどまっており、日本在住のアカウントからでは利用することができないようだ。
こちらのLuna版については4月18日(月)に告知されたNintendo Switch版と同程度の労力をかけ、半年ほどにわたって開発を進めてきたという。にもかかわらず日本でのサービスが始まっていないことには、ディレクターの竹安佐和記氏自身も「モヤッとしたスタート」とコメントしている。
これ実はSwitch版のと同じくらい労力かけ半年ほど開発してたんだけどね。日本でのサービスがまだ始まらないので、モヤッとしたスタートです。
— エルシャダイ(公式) (@Sawaki_Takeyasu) August 2, 2022
さいわい『エルシャダイ』については上述した通りPC(Steam)版がすでに配信されているため、現状で日本から本作を遊びたいという方はこちらを購入するのが良いだろう。もちろんAmazon Lunaの日本展開や、4月に予告されたNintendo Switch版の発売も楽しみに待ちたいところである。