key 13 filmは、ジョージ・A・ロメロ監督・脚本による幻の映画『バイオハザード』に迫るドキュメンタリー『George A. Romero’s Resident Evil: A Documentary』を発表した。
公開時期は2024年。日本での公開は未定。
『George A. Romero’s Resident Evil: A Documentary』は、1998年ごろにジョージ・A・ロメロ氏が監督・脚本務めて『バイオハザード』の映画化が検討されるも、最終的に制作されなかった幻の映画に関するドキュメンタリー。
『バイオハザード』の最初の映画化は、2002年にポール・W・S・アンダーソン氏が監督・脚本を担当、ミラ・ジョヴォヴィッチさんが主演を務めた映画が公開されている。だが実はそれ以前には何人かの人物によって『バイオハザード』の映画化に向けての脚本、ドラフトが作成されており、そのなかにはゾンビ映画の父であるジョージ・A・ロメロ氏が手掛けた脚本もあった。
この脚本をもとにコンセプトアートなども作成されたが、カプコンが脚本に満足せず、またゴアシーンなどが年齢区分など商業的な制約を受けると判断されたことから、最終的に映画制作会社が却下した。こうしてジョージ・A・ロメロ監督版の映画『バイオハザード』は幻に終わった。
ジョージ・A・ロメロ氏が書いた映画『バイオハザード』の脚本は、ゲームの第一作目をベースとしている。
物語はアークレイ山脈にある研究所でアウトブレイクが起こるところからはじまる。それをきっかけに特殊部隊S.T.A.R.S.に救援要請が出されてジル、ウェスカー、バリーなどの隊員が内部に研究所がある洋館に向かう。
一方でクリスは原作のようなS.T.A.R.S.の隊員ではなくモホーク族の血を引く牧場主で、さらにジルの恋仲という設定になっている。独自に洋館に異変があること知ったクリスは、単身、洋館に向かう。洋館や研究所ではS.T.A.R.S.隊員とクリスの行動が交互に描かれ、ゾンビはもちろんハンター、プラント42、タイラントなどのクリーチャーも登場する。
なお当時、カプコンで開発を統括していた岡本吉起氏が自身のYouTubeチャンネルにて『バイオハザード』の映画化に関する裏話を一部披露している。そこではジョージ・A・ロメロ氏の名前は言及されないものの、カプコン側としては原作ゲームに忠実なストーリーを望んでいなかったことが伺える。
今回のドキュメンタリー『George A. Romero’s Resident Evil: A Documentary』は、アーカイブ映像、新たに撮影されたインタビューを踏まえつつ、幻の映画の内実に迫る。さらにジョージ・A・ロメロ氏の脚本の一部シーンを映画のように再現するようだ。
また海外の『バイオハザード』ファンサイトでは本作の監督ブランドン・ソールズベリー氏と、ジョージ・A・ロメロ氏の制作アシスタントを務め、一部始終を知っているジェイソン・ベアフォード氏が出演したポッドキャストが公開されており、本作が2024年の公開を目指していることも明かされている。
ジョージ・A・ロメロ氏の監督・脚本版の『バイオハザード』のということだけあって、ゲームのファンのみならずゾンビ映画ファンにも興味深いドキュメンタリーとなっていそうだ。『George A. Romero’s Resident Evil: A Documentary』の日本での公開も期待したい。