弾力性があって、触ると熱くなったり、冷たくなったり、さらには固さも変わる。ソニーが触覚や温度を表現できるコントローラの特許をアメリカで申請していることが明らかとなった。
WIPO(世界知的所有権機関)のIP Portalサイトにて発見されたもので、海外ではメディアexputerやIGNが「ソニーが温度変化する機能のコントローラ特許を申請」と報道した。コントローラ「DualSense」で“より感じる体験”を追求しているPlayStation 5の次なる新機能になるかもしれないと注目を集めている。
この特許は2020年3月25日に申請され2023年3月30日に公表されたもので、出願者はSIEとなっている。コントローラにはシリコンやウレタン、ポリスチレンといった部材を想定した“弾力性のあるセンサー”が付いており、これにプレイヤーが指などで接触したり変形させたり圧力をかけたりすることで、その触り方によってさまざまなフィードバックをもたらすという。ひねったり擦ったりする動作で反応するパターンも挙げられている。
海外メディアが報じた「温度変化」はそのフィードバックのひとつで、たとえばバーチャル空間上の物体の温度を表現するといった活用例が示されている。これ以外にも「硬度・弾力性の変化」も。磁石のような性質を持つ流体である磁性流体を利用し、弾力性を変えたり、固くしたり柔らかくしたりすることも可能だという。この機能を使えば物体に触れた際の感触を再現することができると記されている。
ゲームハードメーカーによるこのような機能の特許申請は数多くあり、かならずしも実際の製品に搭載されるわけではないが、どのような使用例が考えられるだろうか。たとえばゲーム内のキャラクターがアイテムとして「氷」を手に持っているとき、コントローラーをギュッと握ると冷たく固くなる。ゲーム内で操作キャラクターが他キャラクターと手を握っている際には、逆に温かく柔らかくなるという例が考えられるだろう。
販売中のPS5用コントローラ「Dual Sense」では、多彩な振動表現でゲーム内の出来事を細やかに表現する「ハプティックフィードバック」や、トリガーボタンの重みを変えゲーム内のアクションを体感する「アダプティブトリガー」などが搭載されている。特許の中で同社は、すでにゲームでのユーザー体験を豊かにするため振動や力覚を提示する技術は広く利用されており、今回の発明はユーザの触覚体験をより豊かにすることができると解説している。